【災害時の生活用水は何リットル必要?】4人家族の3日分・7日分の備え方と節水術
災害への備えとして水を用意していても、その多くは飲料水ではないでしょうか。
ところが、断水後に必要になるのは、飲み水や調理用水だけではありません。
手洗い、歯磨き、体の清拭、トイレ、洗濯、掃除などにも水が必要です。
特に暑い時期は汗をかきやすく、少ない水で清潔を保つ工夫が欠かせません。
一方、生活用水を大量に保管しようとすると、保管場所と運搬時の重さが問題になります。
水は1Lで約1kgあるため、4人家族の数日分を容器だけで備えるのは簡単ではありません。
そこでこの記事では、生活用水の必要量を一つの数字で断定するのではなく、簡易トイレや使い捨て用品を活用する「最低限の計画例」と、浴槽の残り湯なども利用する「余裕を持たせた備え」に分けて考えます。
仙台市水道局などの公的情報を踏まえながら、4人家族の3日分・7日分の考え方、少ない水で衛生を保つ方法、安全に運ぶための注意点まで詳しく解説します。
第1章|飲料水と生活用水は分けて考える
災害時に備える水は、大きく「飲料・調理用水」と「生活用水」に分けられます。
飲料・調理用水は、飲む、薬を服用する、乳児用ミルクを作る、調理するといった用途に使う安全な水です。
生活用水は、手洗い、体の清拭、トイレ、洗濯、掃除など、暮らしと衛生を維持するために使います。
この2種類を区別しておかないと、生活用水として使える水があるのに備蓄飲料水を掃除へ使ったり、反対に飲用できない残り湯を口へ入れる用途に使ったりするおそれがあります。
飲料水用と生活用水用の容器には、用途と交換日を大きく表示しましょう。
家族に子どもや高齢者がいる場合は、文字だけでなく、色の違うラベルやテープを使うと見分けやすくなります。
ただし、「生活用水」と表示した水を、飲用、調理、歯磨き、傷口の洗浄へ転用してはいけません。
飲料・調理用水の必要量は、生活用水とは別に確保します。

4人家族に必要な飲料水の計算は、【災害用の水は何リットル必要?】家族人数別の3日分・7日分と保存・運び方を徹底解説で詳しく紹介しています。
第2章|生活用水に全国共通の備蓄量がない理由
飲料水は、1人1日3Lを目安として備える考え方が広く案内されています。
一方、家庭が事前に備蓄する生活用水については、「1人1日必ず何L」という全国共通の目安は確認できません。
必要量が、災害の種類、断水期間、季節、住宅設備、家族構成、排水設備の状態によって大きく変わるためです。
例えば、排水設備の安全が確認され、水洗トイレを水で流す家庭では、トイレだけで多くの水を使います。
発災直後から簡易トイレへ切り替える家庭なら、トイレ洗浄用の水を大幅に減らせます。
食器を毎回洗う場合と、ラップや使い捨て食器を使う場合でも必要量は変わります。
乳幼児、高齢者、要介護者、ペットがいる家庭では、清拭や汚れ物の処理に追加の水や衛生用品が必要です。
日本水道協会の資料には、応急給水の目標設定例として、発災後3日までは1人1日3L、10日目までは20Lという段階的な水量が紹介されています。
ただし、これは水道事業者側の応急給水計画に関する目標例であり、「各家庭が生活用水を1人1日20Lずつ備蓄しなければならない」という意味ではありません。
生活用水は、固定した正解を探すよりも、家庭でどの用途を水なしの方法へ切り替えられるかを先に決め、そのうえで必要量を計算する方が現実的です。
第3章|生活用水が必要になる場面と優先順位
断水時に生活用水が必要になる主な場面は、手指衛生、口腔ケア、体の清拭、トイレ、食器洗い、洗濯、掃除です。
限られた水をすべての用途へ均等に配る必要はありません。
飲料・調理用水を別に確保したうえで、感染症や体調悪化を防ぐために重要な用途から優先します。
手洗いと食品衛生
調理前、食事前、トイレ後、汚物を処理した後は、手指を清潔に保つことが重要です。
水が使える場合は、石けんと流水による手洗いを基本にします。
流水を大量に出し続けるのではなく、給水ボトルや蛇口付き容器を使い、必要な量だけ流すと節水できます。
水が使えない場面では、目に見える汚れを清潔なシートなどで取り除いたうえで、状況に応じて手指消毒剤を使います。
ただし、アルコール消毒だけであらゆる汚れや病原体へ対応できるわけではありません。
下痢や嘔吐が発生している場合は、自治体や保健所、厚生労働省などの案内を確認してください。
歯磨きと口腔ケア
断水中も、口の中の清潔を保つことは大切です。
日本歯科医師会は、水が少ないときの方法として、約30mLの水を用意し、歯ブラシの汚れをティッシュで拭き取りながら磨き、残った水を少量ずつ口に含んで2〜3回に分けてすすぐ方法を紹介しています。
口腔用ウェットティッシュや、普段から使い慣れた洗口液も備えておくと役立ちます。
断水時の口腔ケアには、水を使わずに歯や口内の汚れを拭き取れる「ピュオーラ 歯みがきシート」が便利です。
個包装で持ち運びやすく、防災備蓄のほか、外出先や介護時にも活用できます。
歯ブラシを使える環境では通常の歯磨きを基本とし、補助的な口腔ケア用品として備えておきましょう。
体の清拭と暑さ対策
夏は汗、皮脂、泥汚れが残りやすく、あせも、かぶれ、皮膚のふやけなどにつながることがあります。
毎回全身を水で洗うのではなく、首、わき、胸の下、足の付け根、足、皮膚が重なる部分など、汗や汚れがたまりやすい場所から優先して清潔にします。
大判の体拭きシートや清拭タオルを利用すれば、水の使用量を抑えられます。
発赤、腫れ、強い痛み、傷、膿、発熱などがある場合は、単なる汚れと決めつけず、医療機関や相談窓口へ連絡してください。
トイレと汚物処理
生活用水を最も多く消費しやすいのが、水洗トイレです。
しかし、地震や浸水後は、排水管や下水道が損傷している可能性があります。
安全が確認できるまでは水で流すことを前提にせず、簡易トイレへ切り替えられるよう準備しておくことが重要です。
第4章|4人家族の3日分・7日分をどう計算する?
生活用水の必要量には全国共通の基準がないため、ここでは家庭で計画を立てるための一例を示します。
公的な必要量ではなく、簡易トイレ、使い捨て食器、清拭用品などを使用し、飲料・調理用水を別に確保していることが前提です。
最低限モデル|1人1日2〜3Lを計画値にする場合
トイレは簡易トイレを使い、食器は極力洗わず、体は清拭用品を中心にケアします。
水は、節水しながら行う手洗い、口腔ケア、部分的な清拭などへ優先して使います。
この条件で、家庭内の計画値を1人1日2〜3Lに設定すると、必要量は次のようになります。
| 人数と日数 | 1人1日2Lの場合 | 1人1日3Lの場合 |
|---|---|---|
| 4人家族・3日分 | 24L | 36L |
| 4人家族・7日分 | 56L | 84L |
この数字は最低限の節水生活を想定した試算であり、すべての家庭に足りることを保証する量ではありません。
まず3日分を容器で確保し、7日分との差は浴槽の残り湯、追加の容器、給水所からの受水、衛生用品などを組み合わせて補う方法が現実的です。
余裕を持たせるモデル|1人1日5〜10Lを計画値にする場合
清拭の回数を増やしたい家庭、乳幼児や要介護者がいる家庭、汚れ物が多く発生する家庭では、1人1日2〜3Lでは不足する可能性があります。
そこで、家庭の事情に合わせて1人1日5〜10Lを計画値にすると、4人家族では次の量になります。
| 人数と日数 | 1人1日5Lの場合 | 1人1日10Lの場合 |
| 4人家族・3日分 | 60L | 120L |
| 4人家族・7日分 | 140L | 280L |
280Lの水は、水だけで約280kgです。
この量をすべてポリタンクで保管するのは、多くの家庭にとって現実的ではありません。
そのため、生活用水は「全部を容器へためる」のではなく、「手元に保管する水」「浴槽などに確保できる水」「水を使わずに代替する用品」に分けて考えます。

第5章|浴槽の残り湯と古くなった備蓄水の活用
仙台市水道局は、災害時の生活用水として役立つため、お風呂の残り湯をすぐに捨てずにためておく方法を案内しています。
浴槽に残る水量は、浴槽の容量、水位、入浴人数によって異なります。
「浴槽には必ず200Lある」と決めつけず、自宅の浴槽の仕様や実際の水位を確認しましょう。
残り湯は、排水設備の安全が確認された後のトイレ洗浄、掃除、汚れ物の予洗いなどに利用できます。
入浴剤の種類によっては洗濯や設備への使用に向かない場合があるため、入浴剤と洗濯機、給湯設備の説明書も確認してください。
残り湯は飲用、調理、歯磨き、うがい、傷口の洗浄には使いません。
乳幼児がいる家庭では、浴槽への転落事故を防ぐため、残り湯をためることだけでなく、浴室へ入れない対策も必要です。
長期間放置した残り湯は衛生状態が悪化するため、皮膚や口に触れる用途を避けます。
保管期限を過ぎたくみ置き水も、自動的に安全な生活用水になるわけではありません。
容器の破損、におい、濁り、異物、保管状況を確認し、問題が疑われる場合は使わないでください。
水道水のくみ置き方法と交換頻度は、【水道水の備蓄方法】何日保存できる?容器・交換頻度・保管場所を解説で詳しく解説しています。
第6章|断水時はトイレへ水を流す前に安全確認
断水していても、排水設備に問題がなければ、メーカーが指定する方法で便器を流せる場合があります。
しかし、地震、浸水、液状化などの後は、建物内の排水管、敷地内の設備、下水道、浄化槽が損傷している可能性があります。
その状態で水を流すと、便器や排水口からの逆流、敷地内での漏水、集合住宅の下階への被害につながるおそれがあります。
自治体、管理会社、建物管理者から使用停止の案内がある場合は、水を流してはいけません。
安全が分からない場合も、自己判断で何度も流さず、簡易トイレへ切り替えましょう。
安全確認後に水で流す場合は、便器や住宅設備の取扱説明書に従います。

タンクへ水を入れる方法が適さない機種もあるため、メーカー指定の方法を優先してください。
断水直後に確認する順番は、【断水したら最初にやること】トイレ・飲み水・お風呂・給湯器の確認手順にまとめています。
また、4人家族が1人1日5回、7日間使用する場合、簡易トイレは140回分が一つの計算例になります。
必要数、袋の取り付け方、防臭、処分方法は、【簡易トイレは何回分必要?】家族人数別の備蓄数・使い方・防臭・処分方法を徹底解説も参考にしてください。
第7章|少ない水で衛生を保つ節水方法
生活用水の備蓄量を増やすだけでなく、水を使わない方法へ置き換えることも大切です。

食器をできるだけ洗わない
食器の上へ食品用ラップや清潔なポリ袋をかぶせてから盛り付けると、食後の洗い物を減らせます。
紙皿、紙コップ、割り箸、使い捨てスプーンも役立ちます。
ラップやポリ袋が破れたり、汁が漏れたりすることもあるため、食器そのものが清潔であることも確認してください。
ポリ袋調理を行う場合は、食品用であること、加熱に対応していること、耐熱温度、メーカーの使用方法を必ず確認します。
すべてのポリ袋を湯煎に使えるわけではありません。
湯煎に使った湯は、食品の漏れや袋の汚れが混ざる可能性があるため、手洗いや口に触れる用途へ回さず、状態に応じて掃除などへ使います。
全身ではなく汚れやすい場所から拭く
清拭は、顔用、体用、陰部用などを分け、汚れの少ない場所から順に行います。
同じタオルで全身を繰り返し拭くと、汚れを広げる可能性があります。
使い捨て手袋を使った場合も、外した後の手指衛生を忘れないようにします。
断水が続くと、入浴できないことによる汗や皮脂、汚れも気になります。
アクティのからだふきタオルは、40×30cmの超大判・超厚手タイプで、水を使わずに体を拭けます。
ノンアルコール・無香料ですが、肌の状態には個人差があるため、赤みやかゆみが出た場合は使用を中止してください。
清拭用品を備えておくことで、生活用水の消費を抑えながら、夏の断水時にも最低限の清潔を保ちやすくなります。
洗濯物を増やさない
速乾性の衣類、使い捨て下着、尿取りパッドなどを状況に応じて活用すると、洗濯用水を抑えられます。
汗で濡れた衣類を長時間着続けると皮膚トラブルにつながるため、替えの下着や衣類も水と一緒に備えておきましょう。
使用済みの水を何に再利用するか決める
比較的汚れの少ない水を、より衛生上の優先度が低い掃除へ回す方法があります。
ただし、口に入る用途、手洗い、傷の洗浄などへ再利用するのは避けます。
用途を迷わないよう、バケツや容器へ「掃除用」「トイレ用」と表示しておくと安全です。
第8章|給水容器は重さと運搬方法で選ぶ
断水が長引くと、自治体の給水所から水を運ぶ場面があります。
仙台市水道局は、ふたの閉まるポリタンクやペットボトルなどの容器に加え、リュックやキャリーバッグの準備を案内しています。
水は1Lで約1kgです。
容器自体の重さも加わるため、10L容器は満水で10kg以上、20L容器は20kg以上になります。

重量物を持ち上げるときは、腰だけを曲げず、荷物を体へ近づけ、ひねりながら持ち上げないことが大切です。
ただし、持ち方を工夫しても重さそのものが消えるわけではありません。
特に高齢者、腰や膝に不安がある方、妊娠中の方、階段を使う方は、無理に大容量容器を満水にしないでください。
「両手に10Lずつ持てば安定する」とは限らず、合計20kgの負担になります。
5Lや10Lの容器へ分け、運べる量だけ入れて複数回に分ける方が安全な場合があります。
距離がある場合は、キャリーカート、リュック型給水袋、キャリーワゴンなどを使います。
キャリー用品は、耐荷重だけでなく、段差、階段、道路の損傷、容器の固定方法も確認しましょう。
給水所の場所、開設時間、給水量、利用できる容器は災害ごとに異なるため、仙台市や水道局の最新情報を優先してください。
生活用水をためる容器は、20Lの大型タンクだけに集中させず、持ち運べる重さへ分散する方法がおすすめです。
台和の10L水缶は、ノズル付きで少量ずつ水を出しやすく、半透明なので残量も確認できます。
満水時は約10kgになるため、20L容器より扱いやすいものの、高齢者や腰・膝に不安がある方は無理に持ち上げず、キャリーカートなどを併用しましょう。
収納場所をできるだけ取らずに、給水所へ持っていく容器を準備したい家庭には、折りたたみ式のウォータータンクが便利です。
FIELDOORのウォータータンクは、15Lのタンクが2個セットになっており、使わないときはコンパクトに収納できます。
ただし、15Lまで水を入れると1個約15kgになるため、持つ人の体力に合わせて水量を調整し、無理に満水で運ばないことが大切です。
第9章|家庭で準備したい生活用水・衛生用品
生活用水の容器だけを増やしても、断水中の衛生を保てるとは限りません。
次の用品を組み合わせて準備すると、水の使用量を抑えやすくなります。
水の確保と運搬
・ふたが閉まる生活用水用容器。
・5Lまたは10L程度の給水容器。
・折りたたみ式給水タンク。
・リュック型給水袋。
・キャリーカートまたはキャリーワゴン。
・用途と交換日を記入する防水ラベル。
トイレと汚物処理
・簡易トイレまたは携帯トイレ。
・便器へ取り付ける処理袋。
・凝固剤。
・防臭袋。
・使い捨て手袋。
・トイレットペーパー。
食事と手指衛生
・食品用ラップ。
・食品用ポリ袋。
・紙皿、紙コップ、割り箸、使い捨てスプーン。
・石けん。
・手指消毒剤。
・ウェットティッシュ。
体と口のケア
・大判の体拭きシート。
・清拭タオル。
・ドライシャンプー。
・歯ブラシ。
・口腔用ウェットティッシュ。
・液体歯磨きまたは洗口液。
・入れ歯用品。
用品は「水」「トイレ」「食事」「体・口腔ケア」のように分けて収納すると、暗い場所や慌ただしい状況でも探しやすくなります。
消費期限や使用期限がある物は、定期的に確認しましょう。
一度も使ったことがない用品は、平常時に開封方法や使い方を家族で確認しておくことも大切です。
第10章|乳幼児・高齢者・要介護者がいる家庭の追加対策
家族に乳幼児、高齢者、要介護者がいる場合は、一般的な人数計算だけでは不足する可能性があります。
普段のケアで1日に何を何枚使っているかを確認し、少なくとも備える日数分に予備を加えて準備します。
乳幼児がいる家庭
おしりふき、紙おむつ、汚物用防臭袋、使い捨て手袋、着替えを多めに準備します。
乳児用ミルクに使う水は生活用水ではなく、安全な飲料水として別に確保します。
液体ミルクは調乳用の水を減らせますが、製品の対象月齢、保存方法、使用方法を確認し、普段から飲めるか試しておくことが大切です。
使い捨て哺乳ボトルやインナーバッグを利用する場合も、製品の説明書に従ってください。
浴槽に残り湯をためる家庭では、浴室の扉を閉めるなど、子どもの転落を防ぐ対策を徹底します。
高齢者・要介護者がいる家庭
紙おむつ、尿取りパッド、おしりふき、清拭用品、防臭袋、使い捨て手袋を、普段の使用量から計算して準備します。
皮膚が弱い方は、使い慣れた清拭用品や保湿剤も必要です。
汚れを拭いた後に皮膚を湿ったままにすると、かぶれや皮膚障害につながることがあるため、やさしく乾かして状態を確認します。
口腔ケアは、口の不快感を減らすだけでなく、健康を保つうえでも重要です。
歯ブラシ、口腔用ウェットティッシュ、低刺激の洗口液、入れ歯ケース、入れ歯用ブラシなど、本人が普段から使っている物を優先して備えます。
入れ歯の装着や保管方法には個人差があるため、治療中の方や誤嚥リスクがある方は、平常時に歯科医師へ非常時の管理方法も確認しておくと安心です。
持病や皮膚トラブルがある場合
ストーマ、在宅医療機器、創傷処置などが必要な方は、一般的な生活用水の備えとは別に、医療職や事業者と個別の災害計画を作っておく必要があります。
普段使っている物の代用品を災害時に初めて試すのではなく、使用可能か事前に確認してください。
第11章|わが家の生活用水を実際に計算する手順
生活用水は、次の順番で考えると過不足を見つけやすくなります。
1.家族の人数と備える日数を決める
まずは3日分を具体化し、その後に7日分へ広げます。
乳幼児、要介護者、ペットなど、追加のケアが必要な家族も含めます。
2.トイレを水で流さない前提にする
発災直後は排水設備の安全が分からないため、簡易トイレを基本に考えます。
これだけで、必要な生活用水は大きく変わります。
3.水を使わずに代替できる用途を決める
食器はラップや使い捨て食器、体は清拭用品、髪はドライシャンプーなど、家庭で受け入れられる方法を決めます。
4.手元に置く水量を決める
最低限モデルなら、まず1人1日2〜3Lを家庭内の計画値として試算します。
実際に休日などを利用して半日程度の断水訓練を行い、足りない用途を確認すると、わが家に必要な量へ調整できます。
5.保管水以外の確保方法を組み合わせる
浴槽の残り湯、空の給水容器、運搬用品、地域の給水所を組み合わせます。
保管場所を1か所へ集中させず、容器の転倒や破損にも備えます。
6.半年に1回は家族で見直す
家族構成、介護状況、子どもの成長、住宅設備が変われば必要な備えも変わります。
容器の劣化、衛生用品の期限、簡易トイレの数、給水所までの経路を定期的に確認しましょう。
まとめ|生活用水は「水の量」と「使わない工夫」をセットで備える
災害時の生活用水には、家庭向けの全国一律の備蓄量があるわけではありません。
必要量は、トイレを水で流すか、簡易トイレを使うか、食器を洗うか、家族にケアが必要な方がいるかによって大きく変わります。
4人家族の計画例として、簡易トイレと使い捨て用品を使う最低限モデルを1人1日2〜3Lとした場合、3日分は24〜36L、7日分は56〜84Lです。
ただし、これは公的な必要量ではなく、徹底して節水する家庭内の試算です。
家庭の状況によっては、さらに多くの水が必要になります。
大量の水をすべてポリタンクで保管するのではなく、次の方法を組み合わせましょう。
・飲料・調理用水と生活用水を分ける。
・簡易トイレを使い、排水設備の安全が分かるまで水を流さない。
・浴槽の残り湯を安全な用途へ活用する。
・ラップ、使い捨て食器、清拭用品で水の使用を減らす。
・5Lや10Lの容器と運搬用品を準備する。
・乳幼児、高齢者、要介護者に必要な用品を追加する。
生活用水の備えは、数字だけを決めて終わりではありません。
実際に誰が水を運び、どの場面で何を使うのかまで決めておくことで、断水時にも落ち着いて行動しやすくなります。
まずは、簡易トイレの数、空の給水容器、浴槽の使い方、衛生用品の在庫を家族で確認するところから始めてみてください。
※この記事は一般家庭での防災準備を考えるための情報です。
災害時は、仙台市、仙台市水道局、管理会社、住宅設備メーカー、医療機関などから発信される最新情報を優先してください。
参考にした主な公的情報
・仙台市水道局「ご家庭でできる水の備え」
・日本水道協会「地震等緊急時対応特別調査委員会 応援体制検討小委員会報告書」
・厚生労働省「被災地での健康を守るために」
・日本歯科医師会「災害時、命を守るオーラルケア」
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