【現実問題】停電して気付いた「なくても困らなかった物」と本当に必要だった物
はじめに
「停電したら、できるだけ普段と同じ生活を続けたい。」
防災用品を選ぶ際、多くの方がそう考えるのではないでしょうか。
私も以前は、大容量のポータブル電源があれば、普段と同じように生活できると思っていました。
しかし、東日本大震災を経験し、その後も停電を想定したシミュレーションやアウトドア、防災キャンプなどを繰り返す中で、一つの結論にたどり着きました。
それは、すべての家電を電気で動かそうとすること自体が現実的ではないということです。
限られた電気をどう使うか。
ここを考え方の中心に置くだけで、防災用品の選び方は大きく変わります。
例えば、お湯を沸かすだけならカセットコンロでも十分対応できます。
洗濯も、家族全員分を一度に洗う必要はありません。
本当に必要な物だけを優先すれば、1000Wh前後のポータブル電源でも十分現実的な運用ができます。
私はこれまで、
・ポータブル電源。
・ソーラーパネル。
・ポータブル冷蔵庫。
・コードレス扇風機。
・停電シミュレーション。
・親子での防災キャンプ。
など、さまざまな角度から防災について考えてきました。
その中で、「これは意外となくても困らなかった。」という物もあれば、「これは絶対に必要だった。」と感じた物もあります。
今回は、その経験をもとに、防災用品を選ぶ際の優先順位についてご紹介します。
「大容量のポータブル電源を買わなければいけない。」
そう考えている方ほど、参考になる内容になれば幸いです。
停電時になくても困らなかった物
大切なのは「電気を使わない工夫」
停電すると、「何を動かすか」に意識が向きがちです。
しかし実際には、あらかじめ「何を動かさないか」を考えることも、とても重要でした。
限られた電気をすべての家電へ分散させるよりも、電気でしかできないことへ集中させる。
これが、私が思う現代の防災の考え方です。
例えば冷蔵庫。
照明。
スマートフォンの充電。
これらは、停電中でも電気でなければ代用できません。
一方、お湯を沸かすことや調理は、ガスという選択肢があります。
つまり、防災では「電気」と「ガス」を上手に使い分けることが重要になります。
何度もお話していますが、私はこれをエネルギーの多重化と考えています。
一つのエネルギーだけに頼らないことで、限られたポータブル電源の電気を本当に必要な場面へ使えるようになります。
大型洗濯機は優先順位が低かった
停電すると、「洗濯ができない。」と不安になる方も多いと思います。
もちろん、長期間の停電では洗濯も必要になります。
しかし、一般的な家庭用洗濯機は、一回の洗濯で約150〜250Wh程度の電力を消費します。
1000Whクラスのポータブル電源なら、数回洗濯するだけで大きく残量を減らしてしまいます。
そこで役立つのが、小型洗濯機という考え方です。
我が家では普段から、少年野球のユニフォームや泥だらけになった靴下などの予洗いにウォッシュボーイを使用しています。
家庭用洗濯機へ入れる前に泥汚れを落とせるため、とても重宝しています。
そして、このウォッシュボーイは防災用品としても非常に優秀でした。
定格消費電力は約120W。
約15分の運転で消費電力量は約30Wh程度です。
一般的な家庭用洗濯機と比べると、およそ5分の1から8分の1程度の電力で使用できます。
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もちろん、一度に家族全員分を洗うことはできません。
しかし、下着や靴下、タオル、子どもの着替えなど、本当に必要な物だけなら十分対応できます。
停電時に大切なのは、「普段どおり洗うこと」ではなく、「最低限必要な衣類を清潔に保つこと」です。
そう考えると、大型洗濯機を無理に動かすより、小型洗濯機や手洗いを組み合わせる方が現実的だと感じました。
さらに、節約できた100Wh以上の電力を、冷蔵庫や扇風機へ回せることも大きなメリットです。

電気ケトル・電子レンジ・大型炊飯器は優先順位が低い
停電すると、「温かい食事が作れない。」と不安になる方は多いと思います。
しかし実際にシミュレーションや防災キャンプを行って感じたのは、調理そのものよりも「電気だけに頼ること」の方が大きな問題でした。
電気ケトルや電子レンジ、大型炊飯器は短時間で便利に使える反面、一度に多くの電力を消費します。
限られたポータブル電源で何度も使用すると、冷蔵庫や照明など、本当に必要な家電へ回せる電力が少なくなってしまいます。
代わりに役立ったものはカセットコンロ
我が家では、防災キャンプや停電シミュレーションでも、調理やお湯を沸かす作業はカセットコンロを中心に行いました。
お湯を沸かす。
レトルト食品を温める。
フライパンで簡単な調理をする。
これらはすべて電気を使わずに行えます。
ポータブル電源は冷蔵庫やスマートフォンの充電など、電気でしか代用できない用途に集中させることで、安心して運用できました。
また、カセットコンロは卓上で鍋をしたりバーベキューでこれだけは火力を細かく調整したいといった時にも使える便利なアイテムです!
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「電気」と「ガス」の役割を分ける
停電時に最も大切だと感じたのは、すべてを電気でまかなおうとしないことです。
調理や湯沸かしはガス。
保冷や照明、通信は電気。
このように役割を分けるだけで、ポータブル電源の残量には大きな余裕が生まれます。
以前ご紹介した停電シミュレーションでも、調理をカセットコンロへ切り替えることで、1000Whクラスのポータブル電源でも十分現実的に運用できることが分かりました。
防災用品は、それぞれを単独で考えるのではなく、組み合わせて使うことが重要です。
これが、私が繰り返しお伝えしている「エネルギーの多重化」という考え方です。
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家庭用エアコンや大型テレビも優先順位は高くなかった
真夏の停電では、「エアコンが使えない。」という不安が最も大きいかもしれません。
しかし、家庭用エアコンをポータブル電源だけで長時間動かそうとすると、非常に大きな容量が必要になります。
また、大型テレビも停電時には優先順位が高いとは言えません。
情報収集はスマートフォンやラジオでも行えますし、限られた電力をテレビに使うより、通信手段を維持した方が安心につながります。
代わりに役立ったものは「水」と「風」
これまで熱中症対策の記事でもご紹介してきましたが、身体を冷やす方法はエアコンだけではありません。
身体を濡らし、コードレス扇風機で風を当てる。
この組み合わせだけでも、気化熱によって体感温度は大きく変わります。
さらにタープや日陰を利用すれば、直射日光を避けながら過ごすこともできます。
真夏の防災キャンプでも実際に試しましたが、この方法だけでも快適さは大きく向上しました。
もちろん、エアコンを否定するわけではありません。
停電という限られた環境では、少ない電力でできることを優先するという考え方が大切です。
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食器乾燥機は優先順位が低かった
停電時は、「食器を洗ったあとに乾燥できない」と不安に感じる方もいるかもしれません。
しかし、食器乾燥機は一般的に約250〜600W程度の電力を消費するため、限られたポータブル電源で使用する優先順位は高くありません。
洗った食器を乾燥させるためだけに電気を使うよりも、その電力を冷蔵庫や照明、スマートフォンの充電へ回した方が、停電時の安心につながります。
代わりに役立ったもの:自然乾燥・布巾・キッチンペーパー・ラップ
食器は水気を軽く拭き取り、水切りラックや乾いた布巾の上で自然乾燥させるだけでも十分対応できます。
キッチンペーパーや清潔なタオルを活用すれば乾燥時間も短縮でき、停電時でも不便を感じる場面はほとんどありませんでした。
さらに、災害時にはお皿や食器にラップを敷いてから料理を盛り付ける方法もおすすめです。
食べ終わった後はラップを外すだけなので、食器の汚れを大幅に減らすことができます。
洗い物が少なくなることで、断水時や節水が必要な場面でも使用する水の量を抑えられ、防災対策としても非常に効果的です。
普段は便利な食器乾燥機ですが、停電時は「電気でしかできないこと」に優先して電力を使い、水も無駄にしない工夫を取り入れることが、防災ではとても重要だと感じています。
絶対に必要だった物
ポータブル電源は「生活を支える電気」の中心だった
ここまで「なくても困らなかった物」をご紹介してきました。
逆に言えば、使わなかった家電があるからこそ、本当に必要な物へ電気を集中させることができました。
その中心となるのが、やはりポータブル電源です。
停電時に最も大切なのは、「いつも通り生活すること」ではありません。
限られた電力で、家族の安全と健康を守ることです。
そのためには、ポータブル電源を「何でも動かすための機械」ではなく、「命を守るための電源」と考えることが重要だと感じました。
冷蔵庫・通信・照明を守ることが最優先
停電になると、まず気になるのが食材です。
冷蔵庫が止まれば食品が傷み始め、夏場は数時間で温度も大きく上昇します。
さらに、家族との連絡や災害情報の収集にはスマートフォンが欠かせません。
夜になれば照明も必要になります。
つまり、ポータブル電源の電気は、
・冷蔵庫。
・スマートフォン。
・LEDランタン。
この3つを最優先に考えるべきだと思います。
ここへコードレス扇風機が加われば、真夏でも熱中症対策がしやすくなります。
容量より「使い方」が重要だった
「大容量モデルなら安心。」
そう思われる方も多いでしょう。
もちろん容量が大きいほど安心感はあります。
しかし、これまで停電シミュレーションや親子防災キャンプを行って感じたのは、「容量」よりも「運用方法」の方が重要だということです。
調理はカセットコンロ。
洗濯はウォッシュボーイや手洗い。
暑さ対策はコードレス扇風機と気化熱。
このように役割を分けるだけで、1000Whクラスのポータブル電源でも十分現実的に運用できました。
「容量を増やす」ことだけが答えではありません。
「電気をどう使うか」を考えることが、防災では何より大切です。
関連記事として、容量の選び方や安全なメーカー選びについて詳しくまとめていますので、ぜひこちらも参考にしてください。
👉 内部リンク
『【2026年最新】ポータブル電源5大メーカー徹底比較!本当に安全で失敗しない最適解』
ポータブル冷蔵庫は「安心」を買う防災用品だった
停電時に私が最も安心できた家電は、ポータブル冷蔵庫でした。
一般的なクーラーボックスでも保冷はできますが、時間が経てば氷は少しずつ溶けていきます。
一方で、ポータブル冷蔵庫はポータブル電源から電気を供給できる限り、設定した温度を維持し続けられます。
これは真夏の停電では非常に大きな安心感につながります。
飲み物だけではなく「命を守る冷たさ」
私が実際に使用して感じたのは、「冷たい飲み物が飲める」ということ以上の価値です。
熱中症対策用の保冷剤。
氷。
経口補水液。
傷みやすい食品。
これらを安定した温度で保管できることは、家族の健康を守ることにも直結します。
前回の親子プチキャンプでは、外気温30℃を超える環境でもアイスや飲み物をしっかり冷やした状態で維持することができました。
停電時でも同じように運用できれば、精神的な安心感は想像以上に大きいものになります。
クーラーボックスとの組み合わせが最も効率的
私は「ポータブル冷蔵庫だけ」で考えてはいません。
ハードクーラーボックス。
ソフトクーラーバッグ。
アイスコンテナ。
これらを組み合わせることで、それぞれの長所を活かした運用ができます。
実際のキャンプでは、ハードクーラーボックスにロックアイスと保冷剤を入れ、翌朝まで高い保冷力を維持できました。
用途に応じて使い分けることで、限られた電力や保冷剤を無駄なく活用できます。
本当に冷えるポータブル冷蔵庫や、用途別の選び方については、こちらの記事でも詳しくご紹介しています。
👉 内部リンク
『【2026年夏最新】徹底比較!車中泊や現場作業で本当に冷えるポータブル冷蔵庫5大メーカー』

ソーラーパネル・コードレス扇風機・モバイルバッテリーが「あると安心」な理由
ポータブル電源だけでも停電への備えはできます。
しかし、停電が長引くほど「電気を作る」「電気を節約する」「持ち運ぶ」という3つの視点が重要になります。
そこで活躍するのが、ソーラーパネル、コードレス扇風機、モバイルバッテリーです。
これらは絶対に必要というわけではありませんが、あるだけで停電時の安心感は大きく変わります。
ソーラーパネルは「安心を充電できる」防災用品
ポータブル電源は便利ですが、バッテリーが空になればただの箱になってしまいます。
一方、ソーラーパネルがあれば、晴れている限り少しずつでも電気を補給できます。
実際に私が行った防災キャンプでも、日中はソーラーパネルを広げ、ポータブル電源へ充電しながらポータブル冷蔵庫を運用しました。
その結果、「使いながら充電できる」という安心感は、数字以上に大きな価値があると感じました。
以前の記事でもご紹介しましたが、天候によって発電量は変化します。
だからこそ、実際に使って発電量の目安を知っておくことが、防災への備えにつながります。
👉 関連記事
『ソーラーパネルは本当に必要?ポータブル電源とセットで備えるべき理由』
コードレス扇風機は熱中症対策の要
真夏の停電では、食料よりも先に命へ関わるのが熱中症です。
エアコンが止まった室内では、体温を効率よく下げる方法を知っているかどうかで快適さが大きく変わります。
私がこれまで少年野球や屋外作業、防災キャンプで繰り返し感じてきたのは、「風」があるだけで体感温度は大きく変わるということです。
首や腕、足などを少量の水で濡らし、コードレス扇風機の風を当てる。
これだけでも気化熱によって体温が下がり、暑さをかなり和らげることができます。
しかも消費電力は十数W程度と非常に少なく、長時間使用できる点も魅力です。
👉 関連記事
『【オールシーズン使える】コードレス扇風機・サーキュレーター徹底比較!』
モバイルバッテリーは「持ち運べる安心」
停電時に最も重要な通信手段はスマートフォンです。
家族との連絡。
災害情報の確認。
避難所の情報収集。
どれもスマートフォンが中心になります。
だからこそ、ポータブル電源だけではなく、大容量モバイルバッテリーも準備しておきたいアイテムです。
ちょっとした外出や避難時には、ポータブル電源よりも軽く持ち運べます。
また、スマートフォンの充電をモバイルバッテリーへ任せることで、ポータブル電源の電力を冷蔵庫や照明へ回せるというメリットもあります。
コンセント一体型で普段は充電アダプターとして、持ち運べるタイプのものもあります!
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まとめ|防災は「電気を増やす」より「賢く使う」ことが大切
いかがでしたでしょうか。
停電というと、「もっと大きなポータブル電源が必要。」と思われがちです。
しかし、実際にシミュレーションや防災キャンプを繰り返して感じたのは、「電気をどう使うか」の方が重要だということでした。
大型洗濯機の代わりにウォッシュボーイを使う。
調理はカセットコンロへ任せる。
暑さ対策はコードレス扇風機と気化熱を活用する。
そして、限られた電力をポータブル冷蔵庫やスマートフォン、LEDランタンなど、本当に必要な家電へ集中させる。
この考え方を取り入れるだけで、1000Whクラスのポータブル電源でも、十分現実的な停電対策が可能になります。
東日本大震災を経験し、その後も停電シミュレーションや防災キャンプを続けてきた中で、私がたどり着いた結論は、「防災は我慢ではなく、工夫の積み重ね」ということです。
ぜひ今回ご紹介した内容を参考に、ご家庭に合った備えを見直してみてください。
そして、防災用品は押し入れにしまったままではなく、普段の暮らしやアウトドアでも積極的に使いながら、いざという時に迷わず使える状態をつくっておくことをおすすめします。

あなたのご家庭は大丈夫?停電への備えチェックリスト
ここまでご紹介した内容をもとに、ご家庭の備えを確認してみましょう。
すべてを一度に揃える必要はありません。
まずは「何が足りないか」を知ることが、防災の第一歩です。
我が家の停電対策チェックリスト
☐ ポータブル電源を準備している。
☐ カセットコンロと予備のCB缶を備蓄している。
☐ LEDランタンを家族分用意している。
☐ モバイルバッテリーを普段から充電している。
☐ コードレス扇風機など少ない電力で使える暑さ対策がある。
☐ ポータブル冷蔵庫やクーラーボックスなど、食材を守る備えがある。
☐ ソーラーパネルなど電気を補充する手段がある。
☐ 防災用品を実際に使って動作確認をしたことがある。
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