【エアコンの室外機】日よけは本当に必要?正しい置き方・節電効果・やってはいけない対策を徹底解説
はじめに|室外機の日よけで電気代は安くなる?
夏になると、ホームセンターやインターネット通販で、エアコンの室外機用日よけやアルミカバーを見かける機会が増えます。
「直射日光を防げば、エアコンの電気代が安くなる」という話を聞き、取り付けを考えている方もいるでしょう。
確かに、強い直射日光や地面からの照り返しを抑えることで、室外機周辺の温度上昇を和らげられる場合があります。
室外機が室内から運んできた熱を外へ逃がしやすくなれば、冷房効率の低下を防ぐことにもつながります。
ただし、室外機の日よけは、取り付ければ必ず節電になるわけではありません。
室外機全体を箱型カバーで囲ったり、前面の吹き出し口をふさいだりすると、放出した熱が周囲へこもります。
熱い空気を室外機が再び吸い込む状態になると、かえって冷房効率が低下し、余計な電力を使う可能性があります。
室外機対策で最も大切なのは、日差しだけを気にすることではありません。
室外機の吸い込み口と吹き出し口をふさがず、空気がスムーズに流れる環境を保つことが基本です。
資源エネルギー庁も、室外機の吹き出し口へ物を置くと、冷暖房の効果が下がると案内しています。
私は柔道整復師として、高齢者や子どもが暑い室内で過ごす危険性を日頃から意識しています。
エアコンの電源が入っていても、室外機周辺の環境が悪く、室温が十分に下がっていなければ、熱中症対策として安心できません。
特に高齢者は暑さや喉の渇きを感じにくいことがあります。
子どもは体温調節機能が発達の途中であり、室温や湿度の影響を受けやすい傾向があります。
電気代だけでなく、実際の室温やご家族の体調を確認することが大切です。
暮らしサポートの現場では、室外機のすぐ前に植木鉢、収納箱、自転車、タイヤなどが置かれている住宅を見かけることがあります。
雑草や落ち葉が室外機の周囲へたまり、空気の通り道を狭くしている場合もあります。
日よけ商品を購入する前に、まずは室外機の周辺を片付けるだけで改善できることがないか確認しましょう。
この記事では、資源エネルギー庁、NITE、ダイキン、パナソニック、三菱電機などの公式情報をもとに、室外機の日よけと冷房効率の関係を解説します。
適切な日よけの設置方法、避けたいカバー、水をかける際の注意点、台風や積雪への備えについても紹介します。
ご自宅の室外機が安全に能力を発揮できる環境を、一緒に確認していきましょう。
第1章|室外機は何をしている?
室内の熱を屋外へ運び出している
冷房中のエアコンは、冷たい空気を新しく作っているように見えるかもしれません。
実際には、室内の空気から熱を取り除き、その熱を屋外へ運び出すことで部屋を涼しくしています。
室内機が部屋の暖かい空気を吸い込み、内部の熱交換器で熱を受け取ります。
受け取った熱は冷媒と呼ばれる物質によって、室内機と室外機をつなぐ配管の中を移動します。
室外機へ運ばれた熱は、屋外の空気へ放出されます。
このように、室内機と室外機がセットで働くことで、部屋の温度が下がります。
室外機は、単に屋外へ置かれている機械ではありません。
室内から取り除いた熱を外へ捨てるための、冷房運転に欠かせない装置です。
冷房中に熱い風が出るのは正常
冷房運転中に室外機の前へ立つと、ファンから熱い風が出ていることがあります。
これは、室内から運んできた熱を屋外へ放出しているためです。
室外機から熱風が出ること自体は、故障ではありません。
むしろ、室内の熱を外へ逃がしている正常な働きと考えられます。
問題になるのは、吹き出した熱風が十分に逃げられない環境です。
室外機の前に壁、収納箱、植木鉢などが近接していると、熱風が障害物へ当たります。
逃げ場を失った熱い空気が室外機の側面や背面へ回り込み、再び吸い込まれることがあります。
熱風を再び吸い込むショートサーキット
室外機が吹き出した空気を再び吸い込んでしまう現象は、ショートサーキットと呼ばれます。
難しい言葉ですが、簡単に言えば、捨てたはずの熱をもう一度取り込んでしまう状態です。
室外機が高温の空気を吸い込むと、室内から運んできた熱を外へ放出しにくくなります。
そのため、部屋を冷やすために、より大きな力で運転する可能性があります。
冷えるまでに時間がかかったり、消費電力が増えたりする原因にもなります。
ダイキンも、室外機の吹き出し口をふさぐと熱がこもり、運転効率が低下する可能性があると案内しています。
室外機対策では、本体の上に日よけを載せることだけでなく、吹き出した熱風が遠くへ逃げられるかを確認することが重要です。

第2章|直射日光で冷房効率は変わる?
室外機は屋外で使う前提で作られている
室外機は、雨、風、日差しなどにさらされる屋外で使うことを前提に設計されています。
直射日光が当たっただけで、すぐに故障するものではありません。
日よけを設置していないから、エアコンを安全に使えないということでもありません。
一方で、真夏の強い日差しが長時間当たり、コンクリートやアスファルトからの照り返しも強い場所では、室外機周辺の温度が高くなることがあります。
パナソニックは、コンクリート付近では照り返しによって周辺温度が50℃近くになることもあるとして、直射日光を避けながら風通しを保つよう案内しています。
本体の表面より吸い込む空気が重要
室外機へ日差しが当たると、金属製の外装が熱くなります。
そのため、本体表面を冷やすことだけに注目しがちです。
しかし、冷房効率を考える際は、室外機が吸い込む周囲の空気の温度と、熱風を放出できる通気性が重要です。
室外機の周囲に熱がこもっていると、日よけで上面だけを覆っても大きな改善につながらないことがあります。
反対に、直射日光が当たっていても、周囲が開けており、風通しが良い場所では影響が比較的小さい場合もあります。
日差し、外気温、地面の材質、壁との距離、風の流れなどを総合的に確認する必要があります。
日よけの節電効果は一律ではない
ダイキンは、室外機へ日陰を作ったり、室外機周辺へ打ち水をしたりすることで、効率的な運転や節電効果が期待できると紹介しています。
ただし、得られる効果はすべての家庭で同じではありません。
もともと日陰に設置され、周囲の風通しも良い室外機では、新たな日よけを付けても変化が小さいことがあります。
一日中強い西日が当たり、周囲をコンクリートで囲まれた場所では、日陰を作る効果を感じやすい可能性があります。
エアコンの機種、設置状況、外気温、使用時間、住宅の断熱性によって、電気代への影響は変わります。
「このカバーを付ければ必ず電気代が〇%安くなる」という表示だけで、商品を決めないようにしましょう。
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第3章|室外機の日よけは本当に必要?
日差しと照り返しが強い場所では検討する
室外機が北側の日陰にあり、風通しも確保されている場合は、無理に日よけを追加する必要性は高くありません。
一方で、南向きや西向きで、真夏に長時間直射日光が当たる場所では、日よけが役立つ場合があります。
コンクリートやアスファルトの上に設置され、地面からの照り返しが強い場所も検討対象になります。
ただし、室外機へ日陰を作ることより、空気の流れを妨げないことを優先してください。
日よけが風の通り道をふさすのであれば、設置しない方がよい場合があります。
よしずやすだれは離して設置する
ダイキンは、室外機から1mほど離れた場所へ植木を植えたり、すだれを立てかけたりして日陰を作る方法を紹介しています。
ただし、1mという数字は、すべての設置環境に共通する絶対的な基準ではありません。
大切なのは、日よけが室外機へ密着せず、前面の吹き出し口や側面、背面の吸い込み口をふさがないことです。
すだれやよしずを室外機の上へ直接かぶせるのではなく、少し離れた場所へ設置して日陰を作ります。
風で倒れたり、室外機へ巻き付いたりしないよう、安定した方法で固定することも必要です。
台風や強風が予想される日は、事前に取り外して安全な場所へ保管してください。
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屋根型日よけを使う場合
室外機の上面だけを覆う屋根型の日よけは、全面を囲うカバーより通気を確保しやすい傾向があります。
ただし、製品の大きさや取り付け位置によっては、背面や側面の吸い込みを妨げることがあります。
室外機へ密着させるタイプでは、熱がこもらない構造になっているかを確認してください。
強風で外れないこと、室外機本体を傷つけないこと、排水や点検の邪魔にならないことも大切です。
メーカー純正の日よけ部品が用意されている場合は、対応機種と取り付け方法を確認してください。
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植栽で日陰を作る場合
植木や落葉樹を使って日陰を作る方法もあります。
夏は葉が日陰を作り、冬は葉が落ちて日差しを妨げにくい落葉樹が、室外機周辺の日よけに適する場合があります。
ダイキンも、夏に日陰を作り、冬は日差しを取り入れられる方法として落葉樹を紹介しています。
ただし、枝や葉が室外機へ接触すると、吸い込み口をふさぐ可能性があります。
落ち葉が内部へ入り込んだり、植木鉢が小動物のすみかになったりすることにも注意が必要です。
植栽を利用する場合も、室外機から距離を取り、定期的に剪定と清掃を行いましょう。

第4章|室外機カバーで注意すること
全体を囲う箱型カバーは通気を確認する
木製やアルミ製の箱型カバーは、室外機を目立ちにくくし、ベランダや庭の見た目を整える目的で使われることがあります。
しかし、室外機全体を囲う構造は、空気の流れを妨げやすいため注意が必要です。
パナソニックは、室外機全体を覆うカバーは、ほかの日よけ用品より空気の通り道を妨げやすく、室外機へ負担をかける場合があると説明しています。
見た目に隙間があっても、運転中に大量の熱風を放出できるとは限りません。
カバー内部へ熱がこもっていないか、吹き出した熱風が再び背面へ回っていないか確認してください。
前面の吹き出し口をふさがない
室外機の前面には、大きなファンと吹き出し口があります。
ここをカバー、洗濯物、植木鉢、収納用品などでふさぐと、熱風が遠くへ逃げられません。
室外機のすぐ前へ格子状の板を設置する場合も、開口部が小さければ通気を妨げる可能性があります。
資源エネルギー庁も、室外機の吹き出し口へ物を置くと、冷暖房の効果が下がると案内しています。
日よけ商品を取り付ける場合は、上面の日差しを遮りながら、前面は大きく開けることを基本にしましょう。
少なくとも複数方向を開放する
室外機には、前面だけでなく、側面や背面にも空気の吸い込み口があります。
パナソニックは、日よけを使用する場合も室外機周囲へ十分なスペースを確保し、設置場所に余裕がない場合でも、前後左右上下のうち少なくとも3方向を開放するよう案内しています。
ただし、必要な設置距離は機種ごとに異なります。
室外機に付属する据付説明書や、メーカーの取扱説明書を優先してください。
一般的な数字だけを見て、狭い場所へ無理にカバーを設置しないようにしましょう。
運転しない期間の保護カバー
台風、工事、長期不使用などを理由に、室外機へ保護カバーをかける場合があります。
保護カバーを使用する場合は、エアコンを運転する前に必ず外してください。
三菱電機も、室外機カバーを付けたまま運転すると、排出される風が遮られ、冷房や暖房を使用できなくなると案内しています。
家族の誰かがカバーを付けた場合は、運転前に外したか確認できるよう、情報を共有しておきましょう。

第5章|室外機の周囲に物を置いてはいけない理由
植木鉢や収納箱が熱風を止める
室外機が設置されているベランダや庭は、収納場所として使われることがあります。
室外機の前に植木鉢、収納箱、タイヤ、自転車、バケツなどを置くと、熱風の流れを妨げます。
吹き出した熱風が物へ当たり、再び室外機へ戻れば、ショートサーキットが起こりやすくなります。
収納用品を置く場合は、室外機の前後左右に必要な空間を確保してください。
必要な距離は、取扱説明書や据付説明書で確認しましょう。
洗濯物にも注意する
ベランダでは、室外機の前へ洗濯物や布団を干している場合があります。
運転中の熱風が洗濯物へ当たり、風の流れが遮られる可能性があります。
大きなシーツやタオルが風で室外機へ張り付くことも考えられます。
室外機から出る熱風によって、洗濯物が熱くなったり、乾燥状態に影響したりする場合もあります。
エアコンを運転する時間帯は、室外機の前を大きく開けておくのが安心です。
雑草や落ち葉を放置しない
室外機周辺へ雑草が伸びると、吸い込み口や吹き出し口をふさぐ場合があります。
落ち葉、ビニール袋、紙くずなどが風で飛ばされ、背面の熱交換器へ張り付くこともあります。
パナソニックは、落ち葉やビニール袋などが吹き出し口や背面のフィンをふさぐと、運転効率の低下や運転音の増加につながる可能性があると説明しています。
定期的に室外機の周囲を確認し、手で安全に取れる落ち葉やゴミを取り除いてください。
背面の金属製フィンは薄く鋭いため、手で触れたり、ブラシで強くこすったりしないよう注意しましょう。
段ボールやゴミは火災リスクにもなる
室外機周辺へ段ボール、ゴミ、植木鉢などを置く問題は、冷房効率だけではありません。
NITEは、これらがゴキブリ、ナメクジ、ムカデ、ネズミなどのすみかとなり、小動物が室外機内部へ侵入して電源基板へ接触すると、発煙や発火につながるおそれがあると注意を呼びかけています。
燃えやすい物が近くにあれば、小さな発火が大きな火災へ広がる可能性もあります。
室外機の周囲は収納場所にせず、清潔で見通しのよい状態を保ちましょう。
集合住宅では避難経路も確認する
マンションやアパートのベランダは、火災や災害時の避難経路になる場合があります。
室外機の日よけ、収納箱、植木鉢などが、隣の住戸へ移動する隔て板や避難はしごをふさいでいないか確認してください。
管理規約によって、ベランダへの設置物が制限されていることもあります。
日よけを固定する前に、賃貸契約や管理規約を確認しましょう。

第6章|室外機へ水をかけても大丈夫?
雨に強くても自由に水洗いできるわけではない
室外機は屋外に設置され、雨に耐えられる構造になっています。
しかし、雨に耐えられることと、ホースや高圧洗浄機で自由に水をかけてよいことは同じではありません。
室外機内部には、モーター、配線、電気基板などの部品があります。
水の向きや勢いによっては、通常の雨では入りにくい場所へ水が侵入する可能性があります。
三菱電機は、室外機内部へ水をかける行為は故障につながるため行わないよう案内しています。
高圧洗浄機は使用しない
高圧洗浄機は、外壁やコンクリートの汚れを落とすには便利です。
しかし、室外機へ使用すると、薄いアルミフィンが曲がったり、内部へ水が入り込んだりするおそれがあります。
パナソニックも、室外機へ勢いよく水をかけたり、高圧洗浄機を使用したりしないよう案内しています。
フィンが曲がると空気の通りが悪くなり、熱交換の効率が低下する場合があります。
自分で内部まで洗浄せず、汚れがひどい場合は専門業者へ相談してください。
打ち水は周囲の地面へ行う
ダイキンは、室外機に日陰を作る方法とともに、室外機周辺への打ち水によって効率的な運転や節電効果が期待できると紹介しています。
打ち水を行う場合は、室外機本体や電気部品へ直接水をかけるのではなく、周囲の地面やベランダの床へ行う方が安全です。
水が蒸発するときに周辺の熱を奪うため、照り返しや周囲の温度を和らげる効果が期待できます。
ただし、湿度が高い日や風通しが悪い場所では、効果を感じにくいことがあります。
水が隣の住戸へ流れたり、通行人へかかったりしないようにも注意してください。
滑りやすい床では転倒の危険があるため、打ち水後の足元も確認しましょう。
自分でできる手入れは周辺清掃が基本
家庭で行う室外機のお手入れは、周辺の落ち葉、雑草、ゴミを取り除くことが基本です。
運転を停止し、安全を確認したうえで、本体外側の軽い汚れを乾いた布や固く絞った布で拭く程度にします。
室外機の上へ乗ったり、重い物を載せたりしてはいけません。
三菱電機も、室外機の上に乗ったり、物を載せたりしないよう注意しています。
背面の熱交換器や内部のファンへ手を入れず、自分でできる範囲を超える場合は専門業者へ依頼しましょう。

第7章|台風・強風・積雪への備え
台風前は飛ばされる物を片付ける
台風や強風が予想される場合は、室外機周辺の植木鉢、物干し用品、すだれ、よしず、掃除道具などを片付けます。
風で飛ばされた物が室外機へ衝突すると、外装、ファン、配管などを破損させる可能性があります。
日よけ用品が室外機へ巻き付き、吹き出し口をふさぐことも考えられます。
普段はしっかり固定されているように見えても、台風の風には耐えられない場合があります。
取り外せる物は、早めに室内や安全な収納場所へ移動させましょう。
自己流でロープ固定しない
室外機が動かないよう、ロープで建物や手すりへ固定したくなるかもしれません。
しかし、ロープの位置によっては、ファンや配管を傷つけたり、室外機本体を変形させたりする可能性があります。
室外機の上へコンクリートブロックや重い物を載せることも危険です。
重量によって外装がへこんだり、強風で落下したりするおそれがあります。
転倒が心配な設置状況では、自分で固定せず、施工業者やメーカーへ相談してください。
転倒や位置ずれは自分で戻さない
台風、地震、水害などの後に、室外機が傾いたり、位置がずれたりすることがあります。
室外機と室内機は、冷媒配管や電気配線でつながっています。
無理に起こしたり移動させたりすると、配管が破損し、冷媒が漏れる可能性があります。
室外機が転倒した場合や、配管が折れたり外れたりしている場合は、エアコンの使用を中止してください。
知識がない状態で配管や室外機を修理すると、重大な事故につながるおそれがあります。
NITEは、冷媒を扱う作業を誤ると、室外機内部が異常な高温・高圧状態となり、破裂する危険があると注意を呼びかけています。
浸水した室外機は使用しない
大雨や洪水で室外機が水に浸かった場合は、乾いているように見えても、すぐにエアコンを運転しないでください。
内部の電気部品や配線が濡れている可能性があります。
ダイキンも、水害などで室外機が水に浸かった場合は使用を中止するよう案内しています。
ブレーカーや電源プラグへ安全に触れられない状況では、無理に操作せず、電力会社、メーカー、販売店などへ相談してください。
積雪で吸い込み口と吹き出し口をふさがない
雪が多い地域では、室外機の周囲へ雪が積もり、空気の通り道をふさぐことがあります。
暖房運転では、室外機が屋外の空気から熱を集めるため、吸い込み口や吹き出し口の確保が重要です。
雪を取り除く場合は、室外機や配管を傷つけないよう注意し、周囲へ十分な空間を作ります。
凍り付いた室外機へ大量の水や熱湯をかけると、再凍結や部品の損傷につながる可能性があります。
ダイキンと三菱電機も、凍結した室外機へ水や熱湯をかける方法を避けるよう案内しています。
積雪が多い地域では、対応機種を確認したうえで、防雪フードや高置き用架台を専門業者に設置してもらう方法があります。
第8章|室外機を確認しても冷えない場合
運転モードと設定温度を確認する
室外機周辺を片付け、通気を確保しても部屋が冷えない場合は、ほかの原因を確認します。
最初に、リモコンが冷房運転になっているかを確認してください。
送風運転は室内の空気を動かしますが、室温を下げる機能はありません。
除湿運転も、機種や除湿方式によって冷やす力が異なります。
室温そのものが高い場合は、冷房運転を基本にします。
運転モードの違いは、【冷房と除湿】はどちらが電気代を抑えられる?エアコン運転の違いと正しい使い分けで詳しく解説しています。
設定温度が現在の室温より高くなっていないか、風量が弱に固定されていないかも確認しましょう。
外出時の運転方法も見直す
短時間の外出でエアコンを停止すると、室温が大きく上がり、帰宅後に強い運転が必要になる場合があります。
一方で、長時間誰もいない部屋を冷やし続けると、不要な電力を使う可能性があります。
外出時間、外気温、時間帯、住宅の断熱性などで適した使い方は変わります。
外出時の判断は、【エアコンの電気代】つけっぱなしとこまめに消すのはどっちが安い?時間・外気温別に徹底比較を参考にしてください。
室内機のフィルターを確認する
室外機の環境だけでなく、室内機のフィルターがホコリで目詰まりしていないかも確認します。
フィルターが汚れると、室内機が空気を十分に吸い込みにくくなり、風量や冷房効率が低下する場合があります。
安全な掃除頻度と手順は、【エアコンのフィルター掃除】電気代はどれくらい変わる?頻度・正しい方法・注意点を徹底解説で紹介しています。
フィルターを掃除する際は、運転を停止し、取扱説明書に従って作業してください。
高い位置での作業に不安がある場合は、無理をせず家族や専門業者へ依頼しましょう。
窓やドアから入る熱を抑える
室外機が正常でも、窓から強い日差しが入り続けると、室内へ入る熱に冷房能力が追いつかない場合があります。
遮光カーテン、すだれ、外付けの日よけなどを使い、窓から入る日差しを抑えましょう。
ドアや窓を開けたままにすると、冷やした空気が逃げ、暑い外気が入ります。
家族の出入りが多い部屋では、ドアを開けたままにしないことも重要です。
サーキュレーターで温度ムラを減らす
エアコンの近くは涼しいのに、部屋の奥が暑い場合は、室内で温度ムラが起きている可能性があります。
冷たい空気は床付近へたまりやすいため、サーキュレーターで空気を循環させると、部屋全体へ冷気を届けやすくなります。
具体的な置き方は、【気になる電気代】エアコンとサーキュレーターの併用は本当に効果的?夏・冬の置き方と電気代を徹底解説で詳しく紹介しています。
ただし、サーキュレーター自体に室温を下げる機能はありません。
エアコンから冷たい風が出ていない場合は、サーキュレーターを追加しても根本的な解決にはなりません。
室外機が動いているか確認する
冷房運転を開始してしばらく経っても部屋が冷えない場合は、室外機が動いているかを安全な位置から確認します。
ファンが全く動かない、異常に大きな音がする、何度も停止と再起動を繰り返す場合は、不具合の可能性があります。
ただし、設定温度に達したときや保護運転中など、正常な制御で一時的に停止している場合もあります。
室外機へ顔や手を近づけたり、カバーを開けたりしてはいけません。
エラーコードが表示されている場合は、取扱説明書やメーカー公式サイトを確認してください。
冷たい風が出ない場合
運転モード、設定温度、フィルター、窓、日差し、室外機周辺を確認しても冷たい風が出ない場合は、機器の故障や冷媒漏れが考えられます。
冷媒ガスの補充や配管修理は、専門知識と専用工具が必要な作業です。
自分で分解したり、インターネットで購入した冷媒を補充したりしてはいけません。
水漏れ、異音、焦げたにおい、頻繁なブレーカー作動などがある場合も、使用を中止して相談してください。
詳しい確認方法と業者へ依頼する目安は、【実体験】エアコンが冷えない・水漏れする原因は?買い替える前の確認方法と専門業者へ相談する目安で解説しています。
高齢者や子どもがいる場合は早めに移動する
エアコンが故障し、室温が下がらない場合は、修理を待ちながら暑い部屋にとどまらないことが大切です。
高齢者、子ども、持病のある方、体調が悪い方がいる場合は、特に早めの判断が必要です。
コードレス扇風機や冷却用品は補助として役立ちますが、室温そのものを下げることはできません。
危険な暑さが続く場合は、エアコンが使える別の部屋、親族宅、公共施設、宿泊施設などへの移動を検討してください。

まとめ|日よけより通気性を優先しよう
エアコンの室外機は、室内機が部屋から取り除いた熱を屋外へ放出する重要な装置です。
冷房中に室外機から熱い風が出るのは、室内の熱を外へ捨てている正常な働きです。
その熱風がスムーズに逃げられる環境を作ることが、室外機対策の基本になります。
直射日光や地面からの照り返しが強い場所では、日よけによって室外機周辺の温度上昇を抑えられる場合があります。
ただし、日よけを付ければ、すべての家庭で同じ節電効果が得られるわけではありません。
設置場所、外気温、風通し、住宅環境、エアコンの機種によって効果は変わります。
日よけを設置する場合は、室外機へ密着させず、吹き出し口と吸い込み口をふさがないようにしてください。
よしずやすだれを利用する場合は、室外機から離れた場所へ設置し、風で倒れたり巻き付いたりしないよう注意します。
全面を囲う箱型カバーは、熱風がこもりやすいため、通気性を十分に確認する必要があります。
前面の吹き出し口を覆う設置は避けましょう。
室外機の周辺に植木鉢、収納箱、タイヤ、自転車、段ボール、ゴミなどを置くと、空気の流れを妨げるだけでなく、小動物の侵入や火災のリスクにつながる場合があります。
雑草、落ち葉、ビニール袋なども定期的に取り除いてください。
室外機は雨に耐える構造ですが、ホースで勢いよく水をかけたり、高圧洗浄機を使用したりしてよいわけではありません。
打ち水をする場合は、室外機本体ではなく周辺の地面へ行い、水が電気部品へかからないようにします。
家庭でできる手入れは、周辺の片付けと外側の軽い汚れを拭く程度を基本にしてください。
台風前には、植木鉢、物干し用品、日よけなど、風で飛ばされる物を片付けます。
室外機を自己流でロープ固定したり、上へ重い物を載せたりしてはいけません。
転倒、位置ずれ、浸水、配管の破損がある場合は、自分で動かさず、メーカーや専門業者へ相談してください。
冬に室外機が凍った場合も、水や熱湯をかけて溶かす方法は避けます。
室外機の周辺を整えても部屋が冷えない場合は、運転モード、設定温度、フィルター、窓や日差し、室内の温度ムラなども確認しましょう。
冷たい風が出ない、室外機が動かない、異音、水漏れ、焦げたにおいなどがある場合は、使用を中止して専門家へ相談してください。
室外機対策では、目立つ日よけ商品を取り付けることより、まず空気の通り道を確保することが大切です。
室外機が本来の能力を発揮できる環境を整え、実際の室温とご家族の体調を確認しながら、暑い夏を安全に乗り切りましょう。
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