【エアコンの内部クリーン】毎回必要?送風との違い・電気代・カビ臭への効果を徹底解説

目次

はじめに|冷房停止後もエアコンが動くのは故障?

夏の暑い日にエアコンの冷房を停止したあとも、室内機から風が出続けたり、ランプが点灯したままになったりすることがあります。

「リモコンで停止したのに、なぜ動いているのだろう」と不安になった経験がある方も多いのではないでしょうか。

この動作は、エアコンが故障しているのではなく、内部クリーン機能が働いている可能性があります。

内部クリーンとは、冷房や除湿を使用したあとに室内機の内部を乾燥させ、カビや臭いが発生しにくい状態を保つための機能です。
機種によっては、送風だけでなく弱い暖房や加熱乾燥を行うため、停止後に暖かい風が出たり、室温が少し上がったりすることもあります。

また、内部へ残っていた臭いが風と一緒に出てくる場合もあります。
こうした現象が内部クリーンの正常な動作なのか、故障を疑った方がよい症状なのか、見分けが難しいこともあるでしょう。

私は柔道整復師として、身体の不調だけでなく、室温や湿度、睡眠環境について相談を受けることがあります。
高齢者や小さな子どもがいるご家庭では、内部クリーン中の室温上昇や運転音が、就寝環境へ影響しないように配慮することも大切です。

また、暮らしサポートの現場では、高い場所にあるエアコンを不安定な椅子へ乗って掃除したり、市販の洗浄スプレーを内部へ大量に吹き付けたりする危険な手入れも見かけます。
エアコンは電気部品を使用しているため、誤った掃除方法は故障だけでなく、感電、発煙、火災につながる可能性があります。

この記事では、内部クリーンの仕組み、送風運転との違い、毎回使う必要性、電気代、カビ臭への効果を分かりやすく解説します。

自動フィルター掃除機能や熱交換器洗浄機能との違い、自分で掃除できる範囲、専門業者へ相談した方がよい症状についても確認していきましょう。

第1章|冷房後に室内機が湿る理由

内部クリーンの必要性を理解するには、冷房や除湿を使ったあとに、なぜ室内機の内部が湿るのかを知ることが大切です。

熱交換器が冷えて空気中の水分が結露する

エアコンの冷房は、室内から吸い込んだ空気を、室内機の中にある熱交換器で冷やします。
熱交換器とは、空気の熱を移動させる金属製の部品です。

冷たい飲み物を入れたコップの表面へ水滴が付くように、空気が冷たい熱交換器へ触れると、空気中の水分が結露して水滴になります。
結露した水の多くは、室内機の内部にある受け皿へ集まり、ドレンホースを通って屋外へ排出されます。

冷房中に屋外のドレンホースから水が出ているのは、室内の空気から取り除かれた水分が排出されているためです。

しかし、冷房を停止した直後に、室内機内部の水分がすべてなくなるわけではありません。
熱交換器の表面、送風ファン、風の通り道などには、水滴や湿気が残る場合があります。

除湿運転も空気を冷やして水分を取り除く方式が多いため、使用後の室内機内部は湿りやすくなります。
冷房と除湿の仕組みについては、【冷房と除湿】はどちらが電気代を抑えられる?エアコン運転の違いと正しい使い分けでも詳しく解説しています。

湿気とホコリがカビや臭いの原因になる

エアコンは、室内の空気と一緒に細かいホコリ、料理の油分、たばこの煙、ペットの毛や臭いなどを吸い込みます。
エアフィルターで多くのホコリを捕まえますが、細かい汚れがすべて取り除かれるわけではありません。

フィルターを通り抜けた細かなホコリが熱交換器や送風ファンへ付着し、そこへ冷房後の湿気が残ると、カビが発生しやすい環境になります。
エアコンの内部は暗く、外から見えにくいため、汚れが進んでいても気付きにくい場所です。

冷房を止めたあとに内部が長時間湿った状態になると、カビや臭いの発生につながる可能性があります。
内部クリーンは、この湿った状態を短くするために、室内機の内部を乾燥させる機能です。

冷房や除湿のあとにエアコン室内機の内部へ結露や湿気が残る仕組みを示した図解。室内の空気が冷たい熱交換器で冷やされ、水分が結露してドレンパンへたまり、ドレンホースから屋外へ排出される流れを説明している。運転停止直後は熱交換器、送風ファン、風の通り道に湿気が残り、ホコリと重なることでカビや臭いの原因になりやすいことも示している。

第2章|内部クリーンとは何をする機能?

内部クリーンは、エアコン内部へ付着した汚れを洗剤で洗い落とす機能ではありません。

冷房や除湿のあとに残った湿気を乾かし、カビや臭いが発生しにくい環境を作るための予防機能です。

送風や加熱によって内部を乾燥させる

内部クリーンを開始すると、室内機のファンを動かして内部へ風を通します。
機種によっては、送風だけでなく、弱い暖房や加熱乾燥を組み合わせることがあります。

ダイキンの一部機種では、冷房や除湿の停止後に、送風と暖房によって内部を乾燥させる仕組みが採用されています。
三菱電機も、一部機種の内部クリーンでは、内部の乾燥を優先するために弱い暖房運転を行うと案内しています。

ただし、すべてのメーカーや機種が同じ方法で乾燥するわけではありません。
送風だけで乾燥する機種もあれば、加熱、除菌機能、メーカー独自の機能を組み合わせる機種もあります。

自動で始まる機種と設定が必要な機種がある

内部クリーンは、冷房や除湿を停止すると自動で始まる機種があります。

一方で、リモコンから内部クリーン設定を有効にする必要がある機種や、必要なときに手動で運転する機種もあります。
短時間しか冷房を使わなかった場合や、特定の運転モードを使用した場合には、内部クリーンが始まらない機種もあります。

タイマーで停止した場合と、リモコンの停止ボタンを押した場合で動作条件が異なることもあります。
内部クリーン中に点灯するランプ、運転時間、停止方法も機種によって異なります。

「いつもより長く動いているから故障」と判断する前に、取扱説明書の内部クリーンや内部乾燥の項目を確認してください。

運転時間は機種によって異なる

内部クリーンの運転時間は、数十分で終了する機種もあれば、1時間以上運転する機種もあります。
乾燥方法、室温、湿度、冷房を使用した時間などによって、終了までの時間が変わる場合もあります。

メーカーが特定機種の運転時間を公表していても、その数字をすべてのエアコンへ当てはめることはできません。
運転が長く感じられる場合は、ご自宅の型番を確認し、その機種の取扱説明書やメーカー公式情報を確認しましょう。

冷房や除湿の停止後に内部クリーンが始まり、室内機内部を乾燥させて終了するまでの流れを示した図解。運転停止直後は熱交換器や送風ファン、風の通り道に結露や湿気が残り、その後、機種に応じて送風や加熱乾燥を行い、内部の湿気を減らして自動停止することを説明している。動作条件、運転時間、ランプ表示は機種によって異なるため、取扱説明書の確認が必要であることも示している。

第3章|内部クリーンと送風運転の違い

内部クリーンと送風運転は、どちらも室内機のファンを動かすことがあります。

そのため同じ機能に見えますが、運転の目的と制御方法が異なります。

内部クリーンは内部乾燥のための専用機能

内部クリーンの主な目的は、冷房や除湿後に室内機の内部を乾かすことです。
冷房停止後の状態に合わせて、エアコンが送風や加熱などを自動で組み合わせます。

機種によっては、ルーバーの向き、風量、運転時間なども内部乾燥に適した状態へ自動で調整します。
利用者が通常の冷房や暖房と同じように、温度や風量を細かく設定できない場合もあります。

送風運転は室内の空気を動かす通常運転

送風運転は、室内機のファンを動かし、室内の空気を循環させる通常の運転モードです。
基本的には、冷房のように空気を冷やしたり、暖房のように温めたりすることを主な目的としていません。

扇風機のように風を出し、室内の空気を動かします。
送風運転によって室内機の中へ風が通るため、結果として内部の乾燥に役立つ場合があります。

内部クリーン機能が搭載されていない機種では、メーカーが冷房後に送風運転を行う方法を案内していることもあります。

ただし、必要な運転時間や設定は機種によって異なります。
送風運転を何時間行えばよいかを自己判断せず、メーカーや取扱説明書の案内を確認してください。

内部クリーンがない機種へ同じ操作を当てはめない

送風モードがないエアコンもあります。

また、設定温度を上げて疑似的に送風状態へする方法が紹介されることもありますが、すべての機種に適した方法ではありません。
室温や外気温によっては冷房が動き続け、かえって内部へ新しい結露が発生する可能性もあります。

機種名や型番を確認し、その製品に合った方法を選ぶことが大切です。

エアコンの内部クリーンと送風運転の違いを比較した図解。内部クリーンは、冷房や除湿の停止後に送風や加熱によって熱交換器や送風ファン、風の通り道を乾燥させ、カビや臭いの発生を抑えるための専用機能であることを示している。送風運転は、室内の空気を動かす通常運転で、内部乾燥への効果は限定的であり、目的、開始方法、運転時間、風の温度などが異なることを説明している。

第4章|内部クリーンは毎回使うべき?

冷房や除湿を使うと、室内機の内部へ湿気が残りやすくなります。

そのため、自動内部クリーンが搭載されている場合は、冷房や除湿の使用後に活用することが基本です。

自動内部クリーンを活用する

内部クリーンは、カビが発生してから除去する機能ではありません。
内部が湿った状態のまま長時間放置しないための予防機能です。

冷房や除湿を使うたびに内部を乾燥させることで、湿った状態が続く時間を短くできます。
メーカーが自動内部クリーンを初期設定で有効にしている機種では、基本的には自動運転を活用するとよいでしょう。

ただし、使用環境や機種によって推奨される使い方が異なります。
取扱説明書に「毎回自動で運転する」「一定時間以上冷房した場合に動く」などの条件が記載されているため、確認しておきましょう。

途中停止を繰り返すと十分に乾かない場合がある

冷房を止めたあとに再び風が出ると、電源が切れていないように感じることがあります。
そのたびに内部クリーンを途中で停止すると、予定された乾燥運転を最後まで行えません。

一度停止しただけで直ちにカビが発生するわけではありませんが、毎回途中で止めていると、内部へ湿気が残りやすくなる可能性があります。
音や暖かい風に問題がなければ、運転が自動で終了するまで待つことが基本です。

就寝時は睡眠環境を優先する

内部クリーン中は、送風音や室内機の動作音が続く場合があります。
加熱乾燥を行う機種では、室温が少し上がることもあります。

寝室で使用している場合、運転音や室温上昇が睡眠を妨げる可能性があります。
三菱電機は、一部機種の内部クリーンについて、乾燥のための弱暖房により室温が上がる場合があると案内しています。

高齢者や子どもがいる部屋では、「カビ予防のためだから」と無理に運転を続け、暑い状態で眠らないよう注意してください。
就寝中に使いにくい場合は、人がいない時間帯に手動で行えるか、自動設定を変更できるか、取扱説明書で確認しましょう。

内部クリーンを切ったままにするのではなく、生活時間に合わせて安全に実施する方法を考えることが大切です。


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第5章|内部クリーン中に暖かい風や臭いが出る理由

内部クリーン中に暖かい風や普段と違う臭いが出ても、必ずしも故障とは限りません。

一方で、焦げ臭さや煙など、すぐに使用を中止した方がよい症状もあります。

加熱乾燥によって暖かい風が出る

内部クリーンで弱い暖房や加熱乾燥を行う機種では、室内機から暖かい風が出ることがあります。
内部の温度を上げ、水分を蒸発させやすくするためです。

運転中に室温が上がったり、湿度が一時的に変化したりする場合もあります。
暑い季節には不快に感じることがありますが、取扱説明書に記載された範囲であれば、内部乾燥に伴う正常な動作の可能性があります。

内部へ残っていた臭いが出ることがある

エアコンは、室内の空気と一緒に料理、たばこ、ペット、芳香剤、家具などの臭いも吸い込みます。
熱交換器や内部の汚れへ臭い成分が付着していると、内部クリーン中の風と一緒に臭いが出ることがあります。

三菱電機は、エアコンが除湿した水には室内の臭いが含まれるため、内部クリーン中にホコリ臭が発生する場合があると案内しています。
短時間で消える軽い臭いであれば、内部に残っていた臭いが一時的に排出されている可能性があります。

ただし、内部クリーンを行うたびに強いカビ臭が出る場合や、運転中ずっと臭いが続く場合は、内部へ汚れやカビが付着している可能性があります。

焦げ臭さや煙は正常な動作ではない

焦げたような臭いがする場合は、内部乾燥の臭いだと決めつけてはいけません。
煙が出る、異常な音がする、室内機が大きく振動する、ブレーカーが落ちるなどの症状も、電気部品やモーターの異常が考えられます。

このような場合は、すぐに運転を停止してください。
安全に操作できる場合は、電源プラグを抜くか、エアコン専用ブレーカーを切り、メーカー、販売店、専門業者へ相談しましょう。

異常がある状態で何度も運転を試すと、故障や火災につながる可能性があります。

エアコンの内部クリーン運転中に起こる通常範囲の現象と、異常を疑う症状を比較した図解。暖かい風が出る、風量が強くなる、ランプが点灯する、運転時間が長くなるなどは機種によって正常な場合がある一方、強いカビ臭や焦げ臭、水漏れ、異音、冷えない、長時間運転が終わらない場合は、故障や汚れを疑い専門業者へ相談する必要があることを示している。

第6章|内部クリーンの電気代はどれくらい?

内部クリーンは冷房停止後に長く動くことがあるため、電気代が心配になる方もいるでしょう。

ただし、内部クリーンの電気代を、すべての機種へ共通する金額で示すことはできません。

送風と加熱乾燥では消費電力が異なる

送風を中心に乾燥させる機種は、主に室内機のファンを動かします。
加熱乾燥を行う機種では、送風だけの場合よりも消費電力が大きくなる可能性があります。

同じメーカーでも、シリーズや年式によって内部クリーンの仕組みが異なる場合があります。
さらに、運転時間が毎回一定ではない機種もあります。

そのため、「内部クリーンは1回必ず何円」と考えるのではなく、使用している機種の消費電力と運転時間を確認することが必要です。

電気代の概算方法

電気代は、次の計算式で概算できます。
消費電力のキロワット数×運転時間×電力料金単価です。

例えば、消費電力が100ワットの場合は、キロワットへ直すと0.1キロワットです。
0.1キロワットの運転を1時間行った場合、使用電力量は0.1キロワット時になります。

そこへ、ご家庭で契約している電力料金単価を掛けると、電気代の目安を計算できます。
ただし、内部クリーン中の消費電力が常に一定とは限りません。

送風と加熱を切り替える機種では、運転中に消費電力が変わります。
メーカーが内部クリーンの電気代を掲載している場合は、対象機種、運転条件、使用した電力料金単価まで確認してください。

電気代だけで使用を判断しない

内部クリーンにも電気は必要です。
しかし、わずかな電気代を避けることだけを考え、毎回途中で停止するのはおすすめできません。

内部が湿った状態を短くし、カビや臭いの発生を抑えることが、本来の目的です。
内部クリーンを使えば必ずエアコンクリーニングが不要になるわけではありませんが、日常的な予防として活用する価値があります。

電気代、運転音、室温への影響を確認しながら、ご家庭で続けやすい設定を選びましょう。

第7章|内部クリーンでできること・できないこと

「クリーン」という名称から、エアコンの内部を洗って新品のようにきれいにする機能だと思われることがあります。

内部クリーンが担当する範囲を正しく理解しておきましょう。

内部クリーンでできること

内部クリーンができることは、冷房や除湿後に残った湿気を乾かすことです。
内部が湿った状態で放置される時間を短くし、カビや臭いが発生しにくい環境を作ります。

つまり、主な役割は汚れを落とすことではなく、乾燥による予防です。
機種によっては、メーカー独自の除菌や抑制機能を組み合わせている場合もあります。

ただし、効果の対象となる部位や試験条件は機種ごとに異なります。
「内部クリーン」という名称だけで判断せず、製品の機能説明を確認してください。

発生済みのカビや固着した汚れは除去できない

送風ファンへ黒いカビやホコリが固着している場合、内部クリーンを行っても洗い落とすことはできません。
長期間蓄積した油汚れ、たばこのヤニ、ペットや料理の臭いも、完全には取り除けない場合があります。

パナソニックや三菱電機も、内部クリーンは、すでに発生したカビを除去する機能ではないと案内しています。
内部クリーン後も臭いが改善しない場合は、販売店、メーカー、専門業者への相談が必要です。

自動フィルター掃除機能とは違う

自動フィルター掃除機能は、エアフィルターへ付着したホコリを、ブラシなどで自動的に取り除く機能です。
取り除いたホコリをダストボックスへためる機種や、屋外へ排出する機種などがあります。

掃除する対象は主にエアフィルターです。
室内機内部の熱交換器や送風ファンを乾かす内部クリーンとは、目的も対象部品も異なります。

自動フィルター掃除機能が付いていても、ダストボックスの清掃や、使用環境に応じたフィルターの確認が必要な場合があります。

熱交換器洗浄機能とも違う

近年のエアコンには、冷房時に発生する結露水を使って熱交換器の汚れを流す機能や、熱交換器を凍らせてから一気に溶かす洗浄機能などがあります。
これらは、熱交換器へ付着した汚れを落としやすくすることを目的とした機能です。

内部クリーンは、主に運転後の湿気を乾燥させる機能です。
ただし、メーカーや機種によっては、熱交換器洗浄と内部乾燥を一連の運転として行うものがあります。

ダイキンの一部機種に搭載される水内部クリーンも、結露水を利用した熱交換器洗浄と、その後の送風・加熱乾燥を組み合わせています。

名称が似ていても機能の内容は異なるため、取扱説明書で対象部位と動作を確認しましょう。

エアコンの内部クリーンでできることと、できないことを比較した図解。内部クリーンは、熱交換器、送風ファン、風の通り道に残った湿気を送風や加熱で乾燥させ、カビや臭いの発生を抑える予防機能であることを示している。一方で、付着したホコリや油汚れ、すでに発生したカビ、ドレンパンやドレンホースの汚れ、フィルターのホコリ、故障や異常を取り除く機能ではないことを説明している。

第8章|自分でできる掃除と避けたい方法

内部クリーンを使用していても、家庭で行う日常的な手入れは必要です。

ただし、エアコン内部には電気部品や鋭い金属部品があるため、自分で掃除できる範囲を超えないことが重要です。

自分でできる基本はフィルター掃除

家庭で行いやすいのは、エアフィルターの掃除、外装の乾拭き、取扱説明書で認められている部品の手入れです。
作業前にはエアコンの運転を停止し、取扱説明書の案内に従って電源プラグを抜くか、専用ブレーカーを切ります。

フィルターを取り外したら、表面に付いたホコリを掃除機で吸い取ります。
水洗いできるフィルターは、取扱説明書に従って洗い、完全に乾燥させてから戻してください。

濡れたまま取り付けると、カビや臭いの原因になる可能性があります。

詳しい手順や頻度は、【エアコンのフィルター掃除】電気代はどれくらい変わる?頻度・正しい方法・注意点を徹底解説で紹介しています。

外装やルーバーは、メーカーが認めている範囲を柔らかい布で拭きます。
奥に見える送風ファンへ手や道具を差し込んではいけません。


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高所作業による転落へ注意する

壁掛けエアコンのフィルターを外すには、高い位置へ手を伸ばす必要があります。
キャスター付きの椅子、回転する椅子、折り畳み椅子、箱などを踏み台にすると、バランスを崩して転落する危険があります。

使用する場合は、床へ安定して置ける専用の踏み台や脚立を選んでください。
脚立へ乗った状態で身体を大きく横へ伸ばさず、一度降りて位置を変えましょう。

柔道整復師としても、高所からの転落による手首、肩、腰、股関節のケガは避けていただきたいところです。
高齢者、めまいがある方、膝や腰に不安がある方は、無理に自分で行わず、ご家族や専門業者へ依頼してください。


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市販の洗浄スプレーを安易に内部へ使わない

市販のエアコン洗浄スプレーは、手軽に内部を掃除できるように見えます。
しかし、誤った位置へ洗浄液を吹き付けると、電気部品へ液体が付着する可能性があります。

NITEは、洗浄液が内部の電気部品へ付着し、トラッキング現象によって発火した事故を紹介しています。
トラッキング現象とは、ホコリや水分などによって電気が流れる道ができ、異常な発熱や発火につながる現象です。

NITEによると、2015年度から2019年度までの5年間に、誤ったエアコン内部洗浄による事故が20件発生しています。
洗浄液が電気部品へかかると、使用直後ではなく、時間がたってから発煙や発火につながる可能性もあります。

「スプレーを使ったあとも動いているから安全」とは限りません。

エアコンの内部洗浄には専門的な知識が必要です。
メーカーが使用を認めていない洗浄剤や方法は避け、内部の洗浄が必要な場合は販売店、メーカー、専門業者へ相談してください。

分解、高圧洗浄、内部への水かけは避ける

送風ファンへ長いブラシや棒を差し込むと、ファンやルーバーを破損する可能性があります。
金属製の熱交換器は薄く鋭いため、触れると手を切る危険もあります。

家庭用の高圧洗浄機で室内機を洗うこともできません。
水や洗浄液が基板、配線、モーターへ入ると、感電、故障、発煙、火災につながる可能性があります。

アルコール、次亜塩素酸ナトリウムなどを自己判断で内部へ使用することも避けてください。
エアコン本体を分解しなければ届かない場所は、家庭で掃除する範囲ではありません。

また、【エアコンの室外機】日よけは本当に必要?正しい置き方・節電効果・やってはいけない対策を徹底解説でも紹介しているように、室外機についても高圧洗浄や分解は避け、周囲の落ち葉や障害物を取り除く程度にとどめましょう。

エアコンで自分でできる掃除と避けたい方法を比較した図解。自分でできる範囲として、電源を切ったうえでのフィルター掃除、吹き出し口やルーバー、本体外側、リモコンの拭き掃除、室外機周辺の落ち葉や障害物の除去を示している。一方で、熱交換器や送風ファンを直接触ること、市販の洗浄スプレー、高圧洗浄機、分解清掃、強い洗剤やアルコールの使用は、感電、故障、発煙、火災の原因になる可能性があるため避けるよう説明している。

第9章|カビ臭が消えない場合の確認項目

内部クリーンを使用しても臭いが改善しない場合は、内部にカビがあると決めつける前に、確認できる範囲を順番に調べましょう。

フィルターと吹き出し口を確認する

まずはエアフィルターへホコリがたまっていないか確認します。
フィルターが汚れていると、吸い込む空気の量が減るだけでなく、付着した汚れから臭いが発生する場合があります。

次に、吹き出し口を照明で照らし、見える範囲へ黒い点や汚れがないか確認します。
奥に黒い汚れが見えても、指、棒、ブラシを差し込んではいけません。

冷房を開始した直後だけ臭うのか、運転中ずっと臭うのか、内部クリーン中だけ臭うのかも記録しておきましょう。

臭いが発生するタイミングは、メーカーや専門業者へ相談するときの重要な情報になります。

ドレンホースの先端を確認する

屋外にあるドレンホースの先端が、水たまり、排水溝、汚れた容器などへ入っていないか確認します。
ドレンホースの周囲に落ち葉や泥がたまっていないかも見ておきましょう。

ホースの先端が汚れた水へ漬かっていると、排水しにくくなったり、臭いの原因になったりする可能性があります。
ただし、ドレンホースへ棒を深く差し込んだり、強い力で引っ張ったりしてはいけません。

水漏れや詰まりが疑われる場合は、無理に自分で直さず専門業者へ相談しましょう。

室内の臭いを吸い込んでいないか確認する

エアコンから出ているように感じる臭いが、実際には室内の生活臭である場合もあります。
料理の油や煙、たばこ、ペット、芳香剤、洗濯物、カーテン、家具などの臭いをエアコンが吸い込み、運転時に再び吹き出すことがあります。

窓を開けて換気し、カーテンや家具など室内側の臭いも確認してください。
室内を換気しても臭いが続き、フィルター掃除や内部クリーンでも改善しない場合は、熱交換器や送風ファンへ汚れが付着している可能性があります。

第10章|専門業者へ相談する目安

内部クリーンは日常的なカビ予防に役立ちますが、故障や強い汚れを直す機能ではありません。

異常を感じたときに無理な掃除や運転を続けないことが大切です。

内部クリーン後も強いカビ臭が続く

フィルターを掃除し、内部クリーンを行い、室内を換気しても強い臭いが続く場合は、室内機内部に汚れやカビが付着している可能性があります。
吹き出し口の奥や送風ファンへ黒い汚れが見える場合も、専門的なクリーニングを検討する目安です。

ただし、エアコンの構造や機種によって、対応できる業者が異なる場合があります。
自動フィルター掃除機能付きの機種や、お掃除機能が複雑な機種は、分解や組み立てに専門知識が必要です。

メーカー、購入した販売店、機種に対応できる専門業者へ相談しましょう。

水漏れや冷えない症状がある

室内機から水が垂れる場合は、ドレンホースの詰まり、排水経路の異常、室内機の傾き、内部の汚れなど、さまざまな原因が考えられます。
冷房を使用しても冷たい風が出ない場合は、フィルターの詰まりだけでなく、室外機、冷媒、センサー、電気部品などの異常も考えられます。

【実体験】エアコンが冷えない・水漏れする原因は?買い替える前の確認方法と専門業者へ相談する目安も参考にしながら、自分で確認できる範囲と、専門業者へ依頼する範囲を分けてください。

室外機の周囲へ物が置かれている場合は、空気の流れが妨げられていないかも確認しましょう。

焦げ臭さ、煙、異音、ブレーカー作動は使用を中止する

焦げた臭い、煙、異常な音、強い振動、エラー表示がある場合は、内部クリーンの正常な動作とは考えない方が安全です。
エアコンを動かすとブレーカーが落ちる場合も、電気系統の異常が疑われます。

すぐに運転を停止し、安全に操作できる場合は電源プラグを抜くか、専用ブレーカーを切ってください。
その後、メーカー、購入店、修理業者へ連絡します。

異常が再現するか確認するために何度も運転したり、焦げ臭いまま使用を続けたりしてはいけません。

賃貸住宅では管理会社へ確認する

賃貸住宅に備え付けられているエアコンの場合、所有者は大家や管理会社であることが一般的です。
自己判断で分解洗浄や修理を依頼すると、費用負担や設備保証をめぐって問題になることがあります。

水漏れ、故障、強い臭いなどがある場合は、症状を写真や動画で記録し、管理会社や大家へ連絡しましょう。
自分で購入して取り付けたエアコンについても、賃貸契約や設置条件を確認したうえで対応してください。

エアコンについて専門業者へ相談した方がよい症状をまとめたチェック表。内部クリーンやフィルター掃除をしても強いカビ臭が続く、吹き出し口の奥に黒い汚れが見える、水漏れする、冷たい風が出ない、異音や強い振動がある、焦げ臭い、煙が出る、エラー表示やブレーカー作動がある場合は、使用を中止してメーカーや専門業者へ相談する必要があることを示している。賃貸住宅では、備え付けエアコンの修理や清掃を依頼する前に、管理会社や大家へ確認することも説明している。

まとめ|内部クリーンは掃除ではなくカビ予防

エアコンの内部クリーンは、冷房や除湿のあとに室内機へ残った湿気を乾燥させ、カビや臭いが発生しにくい環境を作るための機能です。
冷房停止後に風が出たり、ランプが点灯したりしても、内部クリーンが動作している場合は故障とは限りません。

機種によっては送風だけでなく弱い暖房や加熱乾燥を行うため、暖かい風が出たり、室温が少し上がったりすることがあります。
内部クリーンの運転時間、動作条件、電気代は、メーカーや機種によって異なります。

自宅のエアコンの型番を確認し、取扱説明書に沿って使用してください。
自動内部クリーンが搭載されている場合は、冷房や除湿のあとに活用することで、内部が湿った状態で残る時間を短くできます。

ただし、内部クリーンは、すでに発生したカビや送風ファンへ固着した黒い汚れを洗い落とす機能ではありません。
自動フィルター掃除はエアフィルターのホコリを取り除く機能です。

熱交換器洗浄は結露水や凍結などを利用し、熱交換器の汚れを落としやすくする機能です。

内部クリーンは、主に運転後の内部を乾燥させる機能です。

名称が似ていても、目的と掃除する部分は異なります。
家庭で行う手入れは、フィルター掃除、外装の乾拭き、取扱説明書で認められた範囲にとどめましょう。

市販の洗浄スプレーを内部へ安易に吹き付けると、洗浄液が電気部品へ付着し、発煙や火災につながる可能性があります。
高所で掃除するときは、不安定な椅子や箱を使わず、身体に不安がある場合は無理をしないことも大切です。

内部クリーン後も強い臭いが続く場合や、黒い汚れ、水漏れ、冷えない症状がある場合は、メーカーや専門業者へ相談してください。
焦げ臭さ、煙、異音、強い振動、ブレーカーが落ちるなどの異常がある場合は、すぐに使用を中止します。

内部クリーン、定期的なフィルター掃除、必要に応じた専門清掃を適切に組み合わせ、安全で快適な室内環境を保ちましょう。


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内部クリーンは、冷房や除湿のあとに室内機の内部を乾燥させ、カビや臭いを予防するための機能です。
すでに付着したカビや、送風ファンの黒い汚れを落とす機能ではありません。

家庭で行うお手入れは、取扱説明書に従ったフィルター掃除や外装の乾拭きなど、安全にできる範囲へとどめてください。
市販の洗浄スプレーを内部へ大量に吹き付けることや、自分で分解して洗浄する方法は、故障、感電、発煙、火災につながる可能性があります。
高い場所を掃除する際は、不安定な椅子や箱を使わず、安定した踏み台を選びましょう。

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