【エアコンの電気代】つけっぱなしとこまめに消すのはどっちが安い?時間・外気温別に徹底比較
はじめに|エアコンはつけっぱなしの方が安い?
夏の暑い日に、近所のスーパーやコンビニへ少しだけ出かけるとき、エアコンを消すか、そのまま運転しておくか迷ったことはありませんか。
「エアコンは電源を入れた直後に電気を多く使うため、短時間ならつけっぱなしの方が安い」という話を聞いたことがある方も多いと思います。
一方で、人がいない部屋のエアコンを動かし続けるのは、電気を無駄にしているようにも感じます。
実際には、つけっぱなしと停止のどちらが電気代を抑えられるかは、外出時間だけでは決まりません。
外気温、時間帯、日当たり、住宅の断熱性、部屋の広さ、設定温度、エアコンの性能などによって結果は変わります。
30分の外出でも、猛暑日の午後と、外気温が下がった夜では条件が異なります。
同じ家の中でも、西日が強く入る部屋と、北側にある日陰の部屋では、エアコンを停止した後の室温上昇に差が出ます。
私は柔道整復師として、暑さや脱水、睡眠不足が身体へ与える影響を日頃から考えています。
暮らしサポートの現場でさまざまな住宅を訪問すると、日当たり、窓の大きさ、断熱性、エアコンの設置場所などによって、冷房の効き方が大きく異なることを実感します。
また、残暑の時期に約6時間の停電を経験し、エアコンが使えない室内では、時間がたつほど暑さへの不安が大きくなることも体験しました。
この記事では、空調メーカーが行った比較実験や公的機関の省エネ情報をもとに、エアコンのつけっぱなしと停止の考え方を分かりやすく解説します。
電気代だけではなく、帰宅時の快適性、家族の体調、熱中症予防も含めて、ご自宅に合った判断基準を見つけていきましょう。
第1章|エアコンが運転開始時に電力を使う理由
暑くなった部屋を冷やすときに大きな力が必要
エアコンは、室内の熱を屋外へ移動させることで部屋を冷やしています。
電源を入れた直後は、暑くなった室内を設定温度まで下げる必要があるため、大きな冷房能力が必要になります。
エアコンの内部には、冷媒と呼ばれる物質を循環させるコンプレッサーがあります。
コンプレッサーはエアコンの心臓部にあたる部品で、室内の熱を屋外へ運ぶために重要な働きをしています。
室温と設定温度の差が大きいほど、コンプレッサーは強く運転します。
例えば、室温が34℃まで上がった部屋を27℃まで下げる場合は、すでに27℃前後に保たれている部屋を維持する場合よりも多くの力が必要です。
自転車を走らせるときも、止まった状態からこぎ始める瞬間に大きな力が必要になります。
一度速度に乗れば、最初より少ない力で走り続けられます。
エアコンも似たような傾向があり、運転開始直後や室温が高い状態からの再運転では、消費電力が大きくなりやすいのです。
ダイキンも、エアコンは外気温と設定温度の差が大きい運転開始直後に、最も多くの電力を使う傾向があると説明しています。
設定温度に達した後は出力を抑える
現在の家庭用エアコンの多くには、インバーター制御が使われています。
インバーター制御とは、コンプレッサーの回転数を細かく変えながら、冷房能力を調整する仕組みです。
運転開始直後は強く運転し、設定温度へ近づくと出力を少しずつ抑えます。
設定温度へ到達した後は、室温が大きく変わらないように、必要な分だけ力を使って運転を続けます。
そのため、部屋が十分に冷えた後の消費電力は、運転開始直後より小さくなる傾向があります。
パナソニックも、室温が適温になった後は、少ない消費電力で室温を維持できると説明しています。

頻繁なオン・オフが無駄になる場合
人が室内にいるにもかかわらず、少し涼しくなったら電源を切り、暑くなったら再び入れる操作を繰り返すと、立ち上がり運転の回数が増えます。
エアコンが自動で出力を調整している途中に電源を切ると、室温は再び上昇します。
その後、暑くなった状態から運転を再開すると、再び大きな冷房能力が必要になります。
このような頻繁なオン・オフは、エアコンに任せて安定運転を続けるより、消費電力が増える可能性があります。
室内で過ごしている間は、暑くなるたびに電源を入れ直すより、設定温度や風量を調整して連続運転した方が効率的な場合があります。
ただし、人がいない部屋を何時間も冷やし続ければ、その間も電力は消費します。
「運転開始時に電気を使う」という理由だけで、一日中つけっぱなしにする方が必ず安くなるわけではありません。
第2章|空調メーカーの実験から分かること
ダイキンが行った夏の比較実験
ダイキンは、夏の冷房で「つけっぱなし」と「こまめに入り切り」を比較する実験を行っています。
実験では、同じ建物にある同じ間取りの部屋を使い、一方はエアコンをつけっぱなしにし、もう一方は30分ごとに運転と停止を繰り返しました。
その結果、外気温が高い日中の9時から18時までは、30分程度であれば、停止するよりつけっぱなしの方が消費電力量は少なくなりました。
一方、外気温が下がった夜の18時から23時までは、停止した方が消費電力量を抑えられる時間帯もありました。
この実験から、短時間の停止が有利かどうかは、外出時間だけでなく、外気温や時間帯にも影響されることが分かります。
日中はエアコンを停止すると室温が上がりやすく、再運転時に大きな電力が必要になります。
夜は日射がなく、外気温も下がるため、停止後の室温上昇が緩やかになる場合があります。
30分外出後の快適性にも差が出た
同じダイキンの実験では、30分外出した後の室温と湿度も比較されています。
帰宅時の測定では、つけっぱなしにした部屋は室温26.5℃、湿度69%でした。
一度停止した部屋は室温27.5℃、湿度77%となり、温度と湿度の両方が高くなっていました。
数値上の差は小さく見えるかもしれません。
しかし、暑い屋外から帰宅した直後は、1℃の室温差や湿度の違いでも、身体が感じる不快感に影響する可能性があります。
停止した部屋では、帰宅後に再び室温と湿度が下がるまで時間がかかります。
電気代だけではなく、帰宅時にすぐ休める環境を維持できることも、つけっぱなしの利点です。

実験結果をすべての家庭へ当てはめない
メーカーの比較実験は参考になりますが、実験結果をそのまま自宅へ当てはめることはできません。
実験に使われた部屋の広さ、エアコンの能力、設定温度、外気温、日当たりなどが、自宅と同じとは限らないためです。
マンションの中間階と、戸建て住宅の最上階では、屋根や壁から入る熱の量が異なります。
遮光カーテンがある部屋と、大きな窓から直射日光が入る部屋でも、室温の上がり方は変わります。
古いエアコンと新しい省エネ性能の高いエアコンでも、運転制御は異なります。
パナソニックも、20分から30分程度の外出ではつけっぱなしが有利になる場合があるとしながら、外出時間、住宅構造、エアコンの機種などによって結果は変わると説明しています。
メーカー実験の30分という数字は、絶対的な境界線ではありません。
自宅で判断するための一つの目安として捉えることが大切です。
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第3章|つけっぱなしが向く条件
短時間で戻る外出
ゴミ出し、近所の買い物、子どもの送迎など、短時間で戻る外出では、エアコンをそのまま運転しておく方がよい場合があります。
電源を切っても、わずかな時間では節約できる電力量が少ない一方、部屋の温度が上昇すると再運転時に大きな電力が必要になります。
特に猛暑日の昼間は、エアコンを停止した直後から、窓、壁、屋根などを通して熱が室内へ入り続けます。
30分程度でも室温が上昇しやすい部屋では、停止による節電効果より、再運転に必要な電力が大きくなる可能性があります。
ただし、短時間の基準は家庭ごとに異なります。
日中の30分ではつけっぱなしが有利だったメーカー実験もありますが、外気温が低い日や、室温が上がりにくい家では結果が異なる可能性があります。
外気温が高い昼間
外気温が高い時間帯は、エアコンを停止すると室温が上がりやすくなります。
特に35℃前後の猛暑日では、外壁、屋根、窓が強く暖められています。
室内の空気だけでなく、家具、床、壁なども熱を持つため、帰宅後に空気を冷やすだけではすぐに快適にならないことがあります。
一度暖まった壁や家具からは、しばらく熱が放出されます。
室温計の数値が下がっても、身体の周囲から熱を感じる状態が続く場合があります。
猛暑日の昼間に短時間だけ外出する場合は、つけっぱなしによって室内全体が暖まるのを防ぐ方が、消費電力と快適性の両面で有利になる可能性があります。
西日や直射日光が強い部屋
午後に西日が強く入る部屋は、短時間でも室温が上がりやすくなります。
大きな窓があるリビングや、最上階の部屋も熱がこもりやすい傾向があります。
エアコンを停止すると急速に室温が上がる住宅では、帰宅後の再冷房に大きな力が必要です。
遮光カーテンや外付けの日よけを使用していても、完全に熱の侵入を防げるわけではありません。
短時間外出ではつけっぱなしを選び、長時間外出ではカーテンや日よけを使用して停止するなど、外出時間に合わせて使い分けましょう。
帰宅後すぐに部屋を使いたい場合
暑い屋外から帰宅した後は、身体に熱がこもっている場合があります。
特に高齢者、子ども、屋外で運動や作業をしていた方は、帰宅後に涼しい環境で休むことが大切です。
短時間の外出であれば、つけっぱなしにして室温と湿度を維持しておくことで、帰宅直後から身体を休められます。
電気代だけを比べると小さな差でも、帰宅後の快適性や身体への負担を考えると、つけっぱなしにする意味があります。

第4章|こまめな停止が向く条件
数時間以上家を空ける場合
仕事、買い物、レジャーなどで数時間以上家を空ける場合は、基本的にエアコンを停止した方が消費電力量を抑えやすくなります。
エアコンは安定運転中の消費電力が小さいとはいえ、電力を全く使わないわけではありません。
誰もいない部屋を長時間冷やし続ければ、その間の消費電力量が積み重なります。
帰宅後の再冷房で一時的に大きな電力を使っても、長時間停止していた分の方が大きければ、合計では停止した方が少なくなります。
ダイキンの冬の実験でも、30分間隔での頻繁なオン・オフではつけっぱなしが有利だった一方、生活スケジュールを想定した2時間の外出では、停止した方が消費電力量が少なくなりました。
冷房でも、外出時間が長くなるほど、停止した方が有利になる可能性は高まります。
外気温が下がった朝や夜
早朝や夜間は、日中より外気温が低くなり、日射の影響も小さくなります。
エアコンを停止しても室温が急激に上がらなければ、再運転時の負担も小さくなります。
ダイキンの夏の実験でも、夜間は日中より停止が有利になる時間帯がありました。
ただし、熱帯夜では夜間も外気温と湿度が高い状態が続きます。
外気温が下がっていないのに「夜だから消す」と判断すると、寝室の温度や湿度が上昇する可能性があります。
時計の時間だけではなく、実際の外気温と室温を確認してください。
日差しが入りにくい部屋
北向きの部屋、周囲の建物で日陰になる部屋、窓が小さい部屋などは、直射日光が入る部屋より室温が上がりにくい場合があります。
断熱性が高く、冷気を保ちやすい住宅も、エアコン停止後の温度上昇が緩やかです。
このような部屋では、短時間の外出でも停止した方が電気代を抑えられる可能性があります。
ただし、気密性が高い住宅は、日中に入った熱が夜まで残ることもあります。
住宅性能だけで判断せず、実際の温度変化を確認しましょう。
長時間使わない部屋
寝室を日中使わない場合や、子ども部屋を長時間空ける場合など、しばらく使用しない部屋はエアコンを停止します。
家全体を同じ温度に保つ必要がなければ、人がいる部屋を中心に冷房する方が効率的です。
ドアを閉めて冷房する範囲を小さくすると、エアコンの負担を減らせる場合があります。
ただし、部屋を閉め切った状態では非常に高温になることがあります。
食品、精密機器、ペットなど、暑さに弱い物や生き物が残っていないかを確認してください。

第5章|30分・1時間・3時間外出の考え方
30分程度ならつけっぱなしが有利になる場合
猛暑日の昼間に30分程度だけ外出する場合は、つけっぱなしが有利になる可能性があります。
メーカーの実験でも、日中の30分程度では、停止するよりつけっぱなしの消費電力量が少ない結果が出ています。
ただし、30分以内なら必ずつけっぱなしが安いわけではありません。
外気温が低い日、夜間、日差しが入らない部屋、断熱性が高い住宅では、停止しても室温があまり上がらないことがあります。
反対に、外気温が非常に高く、西日が入る部屋では、30分未満でも室温が上がる可能性があります。
30分という数字だけではなく、その日の暑さと部屋の環境を合わせて判断しましょう。

1時間程度は判断が分かれやすい
1時間程度の外出は、つけっぱなしと停止の判断が特に難しい時間です。
猛暑日の午後で、停止すると室温がすぐ上がる部屋では、つけっぱなしが有利になる可能性があります。
外気温がそれほど高くない日や、日差しを遮れる部屋では、停止した方が消費電力量を抑えられることがあります。
帰宅後すぐに部屋を使うかどうかも判断材料です。
帰宅後に別の部屋で過ごす場合は、停止しておき、必要になってから運転を再開する方法もあります。
高齢者や小さな子どもが帰宅後すぐに休む場合は、電気代だけでなく快適性も考慮してください。
3時間以上なら停止を基本に考える
3時間以上家を空ける場合は、多くの家庭で停止した方が消費電力量を抑えやすいと考えられます。
安定運転中でも、3時間分の電力を消費し続けるためです。
外出前に遮光カーテンやブラインドを閉め、日差しを遮ると、停止中の室温上昇を抑えやすくなります。
帰宅時刻が分かっている場合は、スマートリモコンやエアコンのタイマーを利用し、帰宅前に運転を開始する方法もあります。
ただし、スマートリモコンを使う場合は、エアコンとの対応状況や通信環境を事前に確認してください。
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人やペットが残る場合は時間で判断しない
高齢者、子ども、体調が悪い方、ペットが室内に残る場合は、外出時間だけを基準にエアコンを停止してはいけません。
環境省は、室内でも温度を測り、体調が悪い場合や暑さに弱い方は特に注意するよう呼びかけています。
高齢者は暑さや喉の渇きを感じにくいことがあります。
子どもは自分でエアコンを操作したり、体調の変化を正確に伝えたりできない場合があります。
ペットも種類、年齢、健康状態によって暑さへの強さが異なります。
人やペットが残る場合は、電気代よりも安全を優先し、無理のない温度で運転を続けてください。
第6章|冷房・除湿・自動運転で変わる消費電力
除湿ならつけっぱなしでも安いとは限らない
エアコンの除湿には、弱冷房除湿、再熱除湿、メーカー独自のハイブリッド方式などがあります。
弱冷房除湿は、弱い冷房に近い運転で湿度を下げます。
再熱除湿は、一度冷やして水分を取り除いた空気を暖め直して室内へ戻します。
再熱除湿では空気を暖め直す工程があるため、冷房や弱冷房除湿より消費電力が大きくなる場合があります。
そのため、「除湿は電気代が安いから、つけっぱなしでも問題ない」と一律に判断することはできません。
自宅のエアコンがどの除湿方式を採用しているか、取扱説明書やメーカー公式サイトで確認してください。
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自動運転の内容は機種によって異なる
自動運転は、エアコンが室温や外気温などを確認し、運転内容を調整する機能です。
設定温度へ達するまでは強く運転し、その後は出力を抑えて室温を維持する機種があります。
風量を手動で弱く設定すると、部屋が冷えるまでに時間がかかり、長時間強い負荷が続く場合があります。
そのため、冷房開始時は風量自動を利用する方法が使いやすいことがあります。
ただし、自動運転の内容はメーカーや機種によって異なります。
冷房と除湿を自動で切り替える機種もあれば、選択した運転モードの中で風量だけを調整する機種もあります。
「自動」にすれば、すべてのエアコンが同じように最も安い運転をするわけではありません。
取扱説明書を確認し、自宅の機種の動きを把握しておきましょう。
第7章|エアコンの負担を減らす節電方法
サーキュレーターで温度ムラを減らす
冷たい空気は床付近にたまりやすいため、エアコンの近くは寒いのに、部屋の奥は暑い状態になることがあります。
サーキュレーターを使って床付近の冷気を部屋の奥へ送ると、室内の温度ムラを減らしやすくなります。
部屋全体が均一に近い温度になれば、設定温度を必要以上に下げずに済む可能性があります。
ただし、サーキュレーターには室温を下げる機能はありません。
エアコンが作った冷気を循環させる家電です。
サーキュレーター自体も電気を使用するため、併用しただけで必ず節電になるとは限りません。
快適性が高まり、エアコンの設定温度や負担を見直せた場合に、結果として節電につながる可能性があります。
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窓から入る日差しを遮る
夏の室内には、窓から多くの熱が入ります。
外出時にカーテンやブラインドを閉めておくと、室温の上昇を抑えやすくなります。
資源エネルギー庁も、冷房時にはレースのカーテン、すだれなどで日差しを遮り、外出時には昼間でもカーテンを閉めることを勧めています。
室内側のカーテンも役立ちますが、すだれや外付けシェードなど、窓の外側で日差しを遮る方が、ガラスが暖まる前に熱を防ぎやすくなります。
ただし、風が強い日は飛ばされないよう、固定方法に注意してください。
フィルターを掃除する
エアコンのフィルターにホコリがたまると、空気を吸い込む力が弱くなります。
必要な量の空気を取り込めなければ、部屋を冷やすために余分な運転が必要になる可能性があります。
資源エネルギー庁は、フィルターの目詰まりを清掃することで、一定の節電効果が見込めると紹介しています。
掃除の頻度は、使用時間、室内のホコリ、ペットの有無などによって異なります。
取扱説明書を確認し、無理に内部まで分解しないでください。
自動お掃除機能が付いている機種でも、ダストボックスや別の部品の手入れが必要な場合があります。
室外機の周囲を塞がない
室外機は、室内から運んだ熱を屋外へ放出します。
吹き出し口や吸い込み口の周囲に荷物、植木鉢、雑草などがあると、熱をうまく逃がせなくなる可能性があります。
資源エネルギー庁も、室外機の吹き出し口周辺へ物を置くと、冷暖房効果が下がると案内しています。
室外機へ日よけを設置する場合は、吹き出し口を塞がず、十分な空間を確保してください。
室外機全体を覆うようなカバーは、熱がこもる原因になることがあります。

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第8章|自宅で消費電力を比較する方法
比較条件をできるだけそろえる
自宅でつけっぱなしと停止のどちらが適しているかを知るには、実際に比較する方法があります。
ただし、真夏の晴れた日と、曇って外気温が低い日を比べても、正確な判断はできません。
できるだけ外気温や日差しが近い日を選び、同じ時間帯で試してください。
設定温度、風量、運転モード、カーテン、ドアの開閉、部屋にいる人数も、できる範囲でそろえます。
1日目は、いつもの外出時間にエアコンをつけたままにします。
別の日は、同じような条件で外出時に停止し、帰宅後に再運転します。
記録しておきたい項目
比較するときは、次の内容を記録します。
外出前の室温と湿度。
外出した時刻。
帰宅した時刻。
帰宅時の室温と湿度。
帰宅時の体感。
再運転後、設定温度へ戻るまでの時間。
時間帯ごとの使用電力量。
室温だけでなく湿度も記録してください。
停止後に室温が大きく上がっていなくても、湿度が高くなり、蒸し暑く感じることがあります。
温湿度計は、エアコンの風が直接当たる場所や、直射日光が入る窓際を避け、人が普段過ごす場所へ置きましょう。
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電力会社のアプリを活用する
電力会社によっては、会員ページやスマートフォンアプリで、30分または1時間ごとの電力使用量を確認できます。
外出した時間帯と再運転した時間帯の使用量を見ると、おおよその傾向を把握できます。
ただし、表示される数値には、冷蔵庫、給湯器、テレビ、照明など、ほかの家電の使用量も含まれます。
エアコンだけの消費電力ではないため、比較する日は、調理や洗濯などの条件もできる範囲でそろえましょう。
分電盤やエアコン専用回路を自分で触って測定することは避けてください。
家庭で行う比較は、厳密な研究ではありません。
自宅ではどの使い方が快適で、電力使用量を抑えやすいかという傾向を見つけることが目的です。

1回の結果だけで決めない
エアコンの消費電力は、外気温や日差しによって毎日変わります。
一度の比較で結論を出さず、猛暑日、曇りの日、夜間など、条件を変えて数回試してください。
「日中の30分ならつけっぱなし」「夜の1時間なら停止」など、自宅なりの傾向が見えてくる可能性があります。
エアコンを買い替えた場合や、遮光カーテンを設置した場合は、結果が変わることもあります。
第9章|寝るときと停電時の注意点
夜間も室温と湿度を確認する
暑い夜にエアコンのタイマーを設定し、寝付いた後に運転を停止する方もいます。
しかし、エアコンが停止した後に室温や湿度が再び上昇すると、途中で目が覚めたり、睡眠の質が低下したりする可能性があります。
熱帯夜では、夜になっても外気温が十分に下がらないことがあります。
電気代を抑えるために一律にタイマーで停止するのではなく、寝室の温度と湿度を確認してください。
高齢者、子ども、体調が悪い方がいる家庭では、安全を優先します。
環境省も、高齢者は暑さや喉の渇きを感じにくいことがあるため、エアコンを上手に使い、こまめに水分を取るよう案内しています。
一晩中運転する場合の注意点
一晩中エアコンを運転する場合も、設定温度を下げ過ぎる必要はありません。
風向きを水平または上向きにし、冷たい風が身体へ直接当たり続けないよう調整します。
風量は自動や弱めに設定し、寝具や衣服も含めて快適な状態を探してください。
除湿を使用する場合は、弱冷房除湿によって室温が下がり過ぎることがあります。
冷房、除湿、自動運転の特徴は機種によって異なるため、寝る前に取扱説明書を確認しておきましょう。
停電するとエアコンは使えない
台風、落雷、地震、事故などで停電すると、一般的な家庭用エアコンは使用できなくなります。
私自身も、近所の電柱へ車が衝突した影響で、残暑の時期に約6時間の停電を経験しました。
そのときは、ポータブル電源を使い、冷蔵庫、Wi-Fi、扇風機、仕事に必要な機器などへ優先順位を付けて電力を供給しました。
コードレス扇風機やサーキュレーターは、停電時にも風を作れるため役立ちます。
ただし、扇風機やサーキュレーターには、室温を下げる機能はありません。
高温多湿の環境では、送風だけで十分な熱中症対策にならない場合があります。
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複数の暑さ対策を準備する
停電時は、コードレス扇風機だけでなく、飲料水、冷却用品、保冷剤、濡れタオル、日よけなどを組み合わせます。
ポータブル電源がある場合は、消費電力の小さい扇風機、通信機器、照明、冷蔵庫などへ優先的に使う方法があります。
家庭用エアコンは消費電力や起動時の出力が大きく、ポータブル電源で長時間運転できない場合があります。
容量だけではなく、定格出力、瞬間最大出力、使用するエアコンの仕様を確認してください。
室温が危険な状態まで上がる前に、電気が使える避難所、親族宅、商業施設などへ移動することも重要です。
普段使っているコードレス扇風機やポータブル電源を災害時にも活用する、フェーズフリーの考え方を取り入れておきましょう。
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まとめ|外出時間と部屋の条件で判断しよう
エアコンは、常につけっぱなしが正解でも、外出のたびに必ず停止するのが正解でもありません。
短時間の外出では、停止後に上昇した室温を再び下げるため、大きな電力が必要になることがあります。
特に外気温が高い昼間、直射日光や西日が強い部屋、停止すると室温がすぐ上がる住宅では、つけっぱなしが有利になる可能性があります。
空調メーカーの実験でも、日中の30分程度では、つけっぱなしの方が消費電力量を抑えられた例があります。
ただし、この30分という数字は、すべての家庭へ当てはまる基準ではありません。
外気温が低い朝や夜、日差しが入りにくい部屋、断熱性が高い住宅では、短時間でも停止した方が消費電力量を抑えられる場合があります。
数時間以上家を空ける場合は、つけっぱなしで消費する電力が積み重なるため、停止を基本に考えます。
外出前にカーテンや日よけで日差しを遮り、帰宅前にタイマーやスマートリモコンで運転を開始する方法もあります。
30分、1時間、3時間という時間だけで判断せず、その日の外気温、時間帯、日当たり、住宅の断熱性、帰宅後の予定を合わせて考えてください。
高齢者、子ども、体調が悪い方、ペットが室内に残る場合は、電気代より安全を優先します。
節電のために暑さを我慢させたり、短時間だからとエアコンを止めたりすると、室温が急激に上がる可能性があります。
また、冷房と除湿では運転の仕組みが異なります。
除湿だからつけっぱなしでも安いとは限りません。
自宅のエアコンが弱冷房除湿、再熱除湿、メーカー独自の方式のどれを採用しているか、取扱説明書で確認しましょう。
エアコンの負担を抑えるには、サーキュレーターで温度ムラを減らす、日差しを遮る、フィルターを掃除する、室外機周辺を整理するといった対策も役立ちます。
ご自宅で判断に迷う場合は、似た天候の日に、つけっぱなしと停止を実際に比較してみてください。
室温、湿度、使用電力量、帰宅時の体感、再び部屋が冷えるまでの時間を記録すると、自宅に合う使い方が見つかりやすくなります。
そして、どれだけエアコンを効率よく使っていても、停電すると運転できなくなります。
コードレス扇風機、飲料水、冷却用品、ポータブル電源、避難先を準備し、エアコンが止まったときにも備えておきましょう。
無理なく電気代を抑えながら、室内の快適性と家族の安全を守ることが、夏のエアコン運転で最も大切な考え方です。
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