【在宅避難とは】避難所へ行かない選択肢|家族が安心して自宅で過ごすための備えと工夫

「災害が起きたら、とにかく避難所へ行かなければいけない。」
そう思っている方は多いのではないでしょうか。

私も東日本大震災を経験するまでは、そのように考えていました。
しかし、防災について学び、昨年は近所で起きた交通事故による約6時間の停電も経験したことで、考え方が少し変わりました。

それは、自宅が安全なら、無理に避難所へ行かなくてもよい場合があるということです。
近年は、この考え方を「在宅避難」と呼びます。
避難所へ行かず、住み慣れた自宅で生活を続ける方法です。

もちろん、すべての人が選べるわけではありません。
家が危険なら、迷わず避難しなければなりません。
しかし、安全が確認できるのであれば、自宅で過ごすことには多くのメリットがあります。

私は柔道整復師として仕事をしています。
また、10歳と3歳の子どもを育てる父親でもあります。

子どもがいる家庭だからこそ感じること。

身体の専門家だからこそ気付くこと。

そして実際に停電を経験したから分かったこと。

今回は、それらを交えながら「在宅避難」という選択肢について分かりやすくご紹介します。
防災用品をたくさん買うことが目的ではありません。
家族が安心して過ごせる環境を作ることが、一番の目的です。

この記事が、ご家庭の防災を見直すきっかけになれば幸いです。


在宅避難とは?

在宅避難(自宅避難)と避難所への避難の違いを比較した図解。自宅が安全な場合は住み慣れた家で生活を続ける「在宅避難」という選択肢があることを紹介し、それぞれのメリット・注意点や、在宅避難を選べる条件、避難所へ避難すべき状況を分かりやすくまとめています。

在宅避難とは、災害が起きても自宅で生活を続ける避難方法です。
「避難」と聞くと、多くの方は学校や体育館などの避難所を思い浮かべると思います。
しかし、避難所は「すべての人が行く場所」ではありません。
本来は、

・家が倒壊した。

・火災で住めなくなった。

・津波や土砂災害の危険がある。

・河川が氾濫する恐れがある。

このように、自宅へいることが危険な方が避難する場所です。
そのため、自宅が安全で生活できる状態なら、自宅で過ごすことも立派な避難になります。
これが在宅避難です。

最近では自治体でも、この考え方を広めています。
避難所の混雑を減らすことにもつながるため、安全な住宅に住んでいる方は、自宅で過ごすことが推奨されるケースもあります。

ただし、一番大切なのは「安全」です。

建物に大きなひび割れがある。

余震で倒壊する恐れがある。

浸水や土砂災害の危険区域に住んでいる。

このような場合は、在宅避難を選んではいけません。
家族の命を守るためにも、迷わず避難所や安全な場所へ避難してください。


在宅避難には大きなメリットがあります

自宅で生活を続けられる最大のメリットは、普段の生活に近い環境で過ごせることです。
避難所では、多くの方と同じ空間で生活します。

プライバシーを確保することは簡単ではありません。

夜も周囲の音が気になり、眠れない方もいます。

小さなお子さんが泣けば、周囲へ気を遣います。

ペットがいる家庭では、一緒に過ごせない場合もあります。

一方、自宅なら、
普段使っている布団で眠れます。

いつものトイレを使えます。

子どもも落ち着いて過ごせます。

ペットも安心できます。

身体だけではありません。

精神的な負担も大きく減らせることが、自宅で過ごす大きなメリットです。

💡 柔道整復師のコラム①|住み慣れた環境は身体にも良い影響があります

避難生活では、精神的なストレスが身体へ大きく影響します。

緊張が続くと眠れなくなります。

眠れない日が続くと、身体の回復力が落ちます。

肩こりや腰痛だけではなく、免疫力の低下にもつながります。

小さなお子さんや高齢の方は、その影響を受けやすい傾向があります。

住み慣れた家で安心して眠れることは、身体と心の健康を守るうえでも大きなメリットになります。


どんな家庭が在宅避難に向いているのでしょうか

家が安全なら、多くのご家庭で在宅避難という選択肢があります。
その中でも、特に在宅避難を考えておきたいご家庭があります。
例えば、

・小さなお子さんがいる家庭。

・ご高齢の方と一緒に暮らしている家庭。

・介護が必要な方がいる家庭。

・犬や猫などのペットがいる家庭。

・持病があり、普段どおりの生活環境が必要な方。

このようなご家庭では、避難所での集団生活が大きな負担になることがあります。
我が家にも10歳と3歳の子どもがいます。
3歳の子どもは、慣れない環境になると不安になりやすく、夜も眠れなくなることがあります。
10歳の子どもでも、大きな地震や停電が起きると不安そうな表情を見せます。

住み慣れた自宅で過ごせるだけでも、子どもたちの安心感は大きく違うと感じています。

もちろん、家が安全であることが前提です。

危険を感じる時は、迷わず避難所や安全な場所へ避難してください。


ペットがいる家庭も大きなメリットがあります

犬や猫などのペットは、大きな環境の変化に強いとは言えません。
避難所によっては、ペットと同じスペースで生活できない場合もあります。
普段は静かな子でも、慣れない場所では鳴き続けてしまうことがあります。
逆に、強いストレスから食事を食べなくなる子もいます。

在宅避難ができれば、普段どおりの環境で過ごせるため、ペットの負担も少なくなります。
フードや飲み水、トイレ用品なども、自宅なら管理しやすくなります。

家族だけではなく、大切なペットを守るという意味でも、自宅で過ごせる環境を整えておくことは大切だと思います。

💡 柔道整復師のコラム②|環境の変化は身体にも影響します

柔道整復師として感じるのは、心のストレスは身体へ大きく影響するということです。

眠れない日が続くと、疲れが取れません。

食欲も落ちやすくなります。

身体を動かす機会が減れば、筋力も落ちてしまいます。

特に高齢の方は、一週間ほど活動量が減るだけでも筋力が低下し、転倒しやすくなることがあります。

だからこそ、安全な自宅で普段に近い生活を続けられることは、身体の健康を守ることにもつながります。



在宅避難で最低限そろえておきたい物

在宅避難で最低限備えておきたい8つのポイントをまとめた図解。飲料水・生活用水、食料、電源、照明、簡易トイレ、冷暖房・季節対策、衛生用品、情報収集の備えを分かりやすく紹介し、フェーズフリーの考え方や定期的な備蓄の見直しの重要性についても解説しています。

在宅避難では、特別な設備よりも「生活を続けるための基本」が大切です。
まず備えたいのは、飲料水です。

目安は1人1日3L。

最低3日分。

できれば1週間分あると安心です。
飲み水だけではなく、生活用水も忘れてはいけません。

手を洗う。

身体を拭く。

簡単な掃除をする。

トイレを流す。

生活用水も想像以上に必要になります。
次に重要なのが食料です。

レトルト食品。

缶詰。

パックご飯。

カップスープ。

普段食べ慣れている物を少し多めに買い置きし、使った分だけ補充する「ローリングストック」がおすすめです。
無理なく続けられ、賞味期限切れも防ぎやすくなります。


トイレの備えは家族全員分を考えましょう

停電だけでなく、断水が起きると水洗トイレが使えなくなることがあります。

そんな時に役立つのが簡易トイレです。

特に小さなお子さんや高齢の方がいるご家庭では、トイレを我慢することはできません。
家族4人なら、最低でも50回分。
できれば100回分ほど備えておくと安心です。

また、消臭袋も一緒に準備しておくことをおすすめします。
臭い対策だけではなく、おむつや生ゴミの処理にも役立ちます。
普段から使えるため、防災用品としても無駄になりません。


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情報を得るための備えも忘れないようにしましょう

災害時は、正しい情報を知ることが安心につながります。

スマートフォン。

モバイルバッテリー。

LEDランタン。

ラジオ。

これらは、自宅で生活を続けるためにも欠かせない備えです。
我が家では、昨年約6時間の停電を経験した際、ポータブル電源でWi-Fiやスマートフォンの充電を維持することができました。

情報が得られるだけでも、不安は大きく減ると実感しています。
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我が家が取り入れている「フェーズフリー」という考え方

フェーズフリーの考え方をまとめた図解。ポータブル電源、コードレス扇風機、ポータブル冷蔵庫、LEDランタン、モバイルバッテリーなどを普段から使い慣れることで、停電や災害時にも迷わず活用でき、冷蔵庫の維持、スマートフォンの充電、照明の確保、暑さ・寒さ対策などにつながり、家族の健康と安心を守る流れを分かりやすく紹介しています。

ここまで、在宅避難に必要な備えについてご紹介しました。
ただ、防災用品は「買って終わり」では意味がありません。
押し入れの奥にしまったままでは、いざという時に使い方が分からなかったり、バッテリーが切れていたりすることもあります。

そこで、我が家が大切にしているのが「フェーズフリー」という考え方です。
フェーズフリーとは、普段の暮らしで使っている物を、災害時にもそのまま活用するという考え方です。

防災専用ではなく、日常生活の延長として備えることで、無理なく防災を続けることができます。
例えば我が家では、ポータブル電源を防災専用にはしていません。

少年野球ではコードレス扇風機やポータブル冷蔵庫の電源として使っています。

草刈りや屋外作業では、充電工具や扇風機の電源として活用しています。

自宅では、停電時だけでなく、家電の動作確認やスマートフォンの充電にも使っています。

普段から使い慣れているからこそ、災害時にも迷わず使うことができます。


約6時間の停電で実感した「自宅で過ごせる安心」

昨年9月、近所で交通事故があり、午後1時頃から約6時間の停電が発生しました。
最初は「すぐ復旧するだろう」と思っていました。
しかし、時間が経っても電気は戻りませんでした。

その時に改めて感じたのが、在宅避難の考え方の大切さです。
我が家には1000Whクラスのポータブル電源がありました。

冷蔵庫を動かし続けることができました。

Wi-Fiも使えました。

コードレス扇風機で暑さ対策もできました。

普段から使っていた物だったため、慌てることなく切り替えられました。

もし何も備えていなかったら。

食材はどうなっていただろう。

暑さはどうだっただろう。

子どもたちは不安な時間を過ごしていただろう。

そんなことを何度も考えました。
この経験があったからこそ、「自宅で過ごせる環境を整えておくこと」の大切さを実感しています。


快適に過ごせることは、家族を守ることにつながります

防災というと、「命を守ること」が最優先です。
もちろん、その通りです。
しかし、安全を確保した後は、「できるだけ普段に近い生活を続けること」も大切になります。

真夏なら暑さ対策。

真冬なら寒さ対策。

スマートフォンで情報を確認できること。

冷たい飲み物を飲めること。

夜に明るい部屋で過ごせること。

こうした一つひとつが、家族の安心につながります。
特に小さなお子さんや高齢の方は、環境の変化による影響を受けやすいと言われています。

少しでも普段に近い環境を保つことが、不安やストレスを減らすことにもつながります。

💡 柔道整復師のコラム③|「快適」は贅沢ではなく健康を守る備えです

柔道整復師として多くの方と接していると、「少しの我慢」が体調を崩すきっかけになる場面をよく見ます。

暑さを我慢すれば熱中症の危険があります。

寒さを我慢すれば身体がこわばり、転倒や痛みにつながることもあります。

睡眠不足が続けば、疲労は回復しません。

在宅避難では、ただ生き延びるだけではなく、体調を維持することも大切です。

「快適に過ごせる環境」は、決して贅沢ではありません。

家族の健康を守るための大切な備えだと私は考えています。


まとめ|家族に合った避難方法を考えておきましょう

災害が起きた時、必ず避難所へ行かなければならないとは限りません。
自宅が安全であれば、住み慣れた家で生活を続けることも大切な避難方法の一つです。
そのためには、

飲料水。

生活用水。

食料。

簡易トイレ。

照明。

情報を得るための準備。

そして、普段から使い慣れた道具。

これらを少しずつ備えておくことが安心につながります。
我が家でも、防災用品を特別な物とは考えていません。
普段の暮らしで使いながら、もしもの時にも役立てる「フェーズフリー」という考え方を大切にしています。

まずは、ご自宅が在宅避難できる環境かを確認してみてください。
そして、ご家族に合った備えを、できることから少しずつ始めてみてはいかがでしょうか。


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