【高齢の親✕防災用品】ちゃんと使える?実家に置くだけでは不十分!一人でも使える備えの確認方法
はじめに
「防災用品は買ってあるから大丈夫。」
お盆や年末年始に実家へ帰省した時、そんな会話をしたことはありませんか。
近年は防災意識が高まり、保存水や非常食、LEDランタンなどを備えているご家庭も増えてきました。
しかし、防災用品は持っているだけでは十分とは言えません。
災害が起きた時、ご両親が一人でも取り出し、迷わず使えることが本当の備えになります。
私は仙台市で柔道整復師として整骨院を運営しながら、暮らしサポートも行っています。
高齢者のお宅へ伺う中で感じるのは、「防災用品はあるけれど、使い方が分からない」というケースが意外と多いことです。
子どもがプレゼントしてくれたポータブル電源。
押し入れにしまったLEDランタン。
買ったまま開けていない簡易トイレ。
どれも決して珍しい話ではありません。
災害は、家族が集まっている時だけに起こるわけではありません。
だからこそ、お盆や夏休みなど帰省したタイミングは、防災用品を「使える備え」に変える絶好の機会です。
この記事では、防災用品を新しく買うことよりも、「今ある防災用品を一人でも使える状態にする方法」をご紹介します。
実家の防災チェックがまだの方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
▶ 【お盆の帰省で5分チェック】実家の防災は大丈夫?高齢の親を守る防災チェックリスト完全ガイド
第1章|なぜ「使えるか」の確認が必要なのか

「防災用品を買ったから安心。」
そう思えることは、とても大切です。
何も備えていない状態と比べれば、それだけでも災害への備えは大きく前進しています。
しかし、実際の災害では「持っていること」と「使えること」はまったく別の話です。
例えば停電した夜。
真っ暗な部屋でLEDランタンを探すことはできますか。
モバイルバッテリーを取り出して、スマートフォンへ充電できますか。
簡易トイレを一人で組み立てることはできますか。
普段なら簡単に思えることでも、突然の停電や地震の直後は焦りや不安から思うように行動できないことがあります。
さらに高齢になると、視力や握力、体力などが少しずつ変化していきます。
小さな文字が読みにくい。
細いケーブルが差し込みづらい。
重い荷物を持ち上げられない。
こうした変化は誰にでも起こるものです。
だからこそ、防災用品は「使えるか」を確認することが大切なのです。
災害は「一人の時」に起こるかもしれません
子ども世代が実家にいる時だけ災害が起きるとは限りません。
平日の昼間かもしれません。
夜中に突然停電するかもしれません。
台風が接近している日かもしれません。
その時、ご両親だけで落ち着いて行動できることが重要になります。
だからといって、難しい訓練をする必要はありません。
帰省した時に、
「ランタンを点けてみよう。」
「スマホを充電してみよう。」
「簡易トイレを一度開けてみよう。」
そんな小さな確認をするだけでも十分です。
実際に一度使った経験は、災害時の安心感につながります。
第2章|親だけで実際に操作してみましょう

帰省すると、子ども世代はつい何でも手伝いたくなります。
「そこじゃないよ。」
「このボタンだよ。」
「貸して、やるから。」
その気持ちはよく分かります。
しかし、防災用品の確認では、少しだけ我慢してみてください。
大切なのは、ご両親自身が一人でできるかどうかを確認することです。
例えば、
「停電したと思ってランタンを持ってきて。」
とお願いしてみましょう。
もし保管場所が分からなければ、それも大切な発見です。
取り出せなければ、置き場所を変えた方が良いかもしれません。
ボタンが分からなければ、目印を付けた方が良いかもしれません。
「できなかった。」
それは失敗ではありません。
災害が起きる前に課題が見つかったという、とても大きな成果です。
子ども世代がその場で少し工夫するだけで、ご両親は次から安心して使えるようになります。
「教える」のではなく、「一緒に使ってみる」。
この時間こそが、防災用品を本当に役立つ備えへ変える第一歩です。
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第3章|LEDランタンは暗い部屋で使えますか?

停電した時、最初に必要になるものの一つが明かりです。
懐中電灯を備えているご家庭も多いと思いますが、部屋全体を照らせるLEDランタンがあると、夜間の移動や食事、トイレなどがぐっと安全になります。
ただし、ここで確認したいのは「持っているか」ではありません。
実際に使えるかどうかです。
おすすめなのは、夕方や夜に部屋の照明を消し、実際の停電を想定して試してみることです。
「ランタンはどこに置いてある?」
「一人で持ってこられる?」
「スイッチは分かる?」
「ちゃんと点灯する?」
この4つを確認するだけでも十分です。
また、充電式の場合はバッテリー残量も確認しましょう。
久しぶりに使おうと思ったら充電が空になっていた、ということは珍しくありません。
乾電池式なら液漏れがないか、予備の電池はあるかも一緒に見ておくと安心です。
ランタンは押し入れの奥へしまい込むよりも、寝室やリビングなど普段過ごす場所の近くへ置いておく方が、停電時にはすぐ使えます。
暗闇の中でも迷わないように、目立つ場所へ置いたり、蓄光シールを貼ったりする工夫もおすすめです。
「ここにあるから大丈夫。」
そう確認できるだけでも、ご両親の安心感は大きく変わります。
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第4章|モバイルバッテリーでスマートフォンを充電できますか?
災害時、もっとも重要な情報源の一つがスマートフォンです。
家族との連絡。
避難情報の確認。
気象情報の収集。
現在は、多くの情報がスマートフォンから得られます。
しかし、バッテリーが切れてしまえば、その便利さは失われてしまいます。
そのため、モバイルバッテリーを備えているご家庭も増えていますが、高齢の方にとっては「持っていること」と「使えること」は別の問題です。
実際に確認していただきたいのは、次の4つです。
- モバイルバッテリーを保管場所から取り出せるか。
- ケーブルを正しく接続できるか。
- スマートフォンへ充電できるか。
- 使用後に再び充電して元の場所へ戻せるか。
特に最近は、USB Type-CやLightningなどケーブルの種類が複数あり、「どれを使えばいいのか分からない」という声も少なくありません。
そこでおすすめなのが、ケーブルと差し込み口へ同じ色のシールを貼る方法です。
例えば、赤いシール同士をつなぐだけ。
青いシール同士をつなぐだけ。
それだけでも迷う時間を大きく減らせます。
また、コンセント一体型やケーブル一体型のモバイルバッテリーなら、操作が少なく、高齢の方にも扱いやすい製品があります。
複雑な機能よりも、「簡単に使えること」を優先して選ぶことが大切です。
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第5章|簡易トイレは一人で準備できますか?
断水すると、水洗トイレは普段通り使えなくなることがあります。
特に地震では、下水道の損傷状況が確認できるまで、水を流してはいけないケースもあります。
そのため、簡易トイレは優先して備えたい防災用品の一つです。
しかし、購入したまま箱を開けていないご家庭も少なくありません。
実際に確認していただきたいのは、「一人で準備できるか」です。
袋を便器へ取り付ける。
凝固剤を入れる。
使用後に袋を結ぶ。
文章で読むと簡単そうですが、実際にやってみると意外と手間がかかります。
柔道整復師として高齢の方を見ていると、腰や膝の痛みがある方は、便器の前でしゃがむ姿勢だけでも大きな負担になります。
袋を広げる動作。
凝固剤の小袋を開ける動作。
袋をしっかり結ぶ動作。
これらも手指の力が弱くなると難しく感じることがあります。
だからこそ、帰省した時に一度だけ練習してみることをおすすめします。
実際に使うことで、
「ここがやりづらいね。」
「袋はこの向きの方がいいね。」
と改善点が見えてきます。
さらに、簡易トイレの近くへ使い捨て手袋やウェットティッシュ、防臭袋を一緒にまとめておくと、災害時にも慌てずに使えます。
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第6章|ポータブル電源は「操作できること」が大切です

停電対策として、ポータブル電源を実家へ準備する方が増えています。
照明。
スマートフォンの充電。
コードレス扇風機。
必要最低限の家電が使えるだけでも、停電時の安心感は大きく変わります。
しかし、高性能な製品ほどボタンや表示が多く、「どこを押せばいいのか分からない」と戸惑ってしまうこともあります。
そのため、帰省した時には一緒に操作を確認してみましょう。
例えば、
「電源を入れてみよう。」
「コンセントを挿してみよう。」
「ランタンを点けてみよう。」
この程度で十分です。
難しい設定を覚える必要はありません。
むしろ、「このボタンだけ押せば使える」という状態を目指した方が安心です。
本体へ番号シールを貼る方法もおすすめです。
① 電源ボタンを押す。
② ACボタンを押す。
③ コンセントを挿す。
このように順番が分かるだけで、操作への不安は大きく減ります。
また、ポータブル電源は重量がある製品も多いため、置き場所も重要です。
床へ直接置くと持ち上げる時に腰へ負担がかかります。
押し入れの奥へ収納すると、取り出すだけでも大変です。
普段使う部屋の近くで、無理なく持ち運べる高さへ置くようにしましょう。
「いざという時に使える場所に置く。」
これも、防災用品を活かすための大切な工夫です。
💡柔道整復師コラム|身体を守ることも大切な防災です
防災というと、飲み水や非常食、防災用品ばかりに目が向きがちです。
もちろん、それらは命を守るために欠かせません。
しかし、柔道整復師として多くの高齢者の方と接してきた中で感じるのは、「身体への負担を減らすこと」も同じくらい重要だということです。
例えば、重い保存水を床から持ち上げる動作。
ポータブル電源を移動させる動作。
停電した暗い部屋で防災用品を探す動作。
どれも腰や膝への負担が大きく、転倒やケガにつながる可能性があります。
特に高齢者は、一度の転倒が骨折や長期入院につながることも少なくありません。
防災用品を増やすことだけが備えではありません。
無理をしなくても使える環境を整えること。
それも立派な防災です。
帰省した際は、防災用品の数だけでなく、「身体に負担なく使えるか」という視点でも、ご両親と一緒に確認してみてください。
第7章|保存水は「備蓄量」だけでなく「運べるか」も確認しましょう
防災では、「1人1日3Lの飲み水を備えましょう」とよく言われます。
そのため、2Lのペットボトルを何箱も備蓄しているご家庭も少なくありません。
もちろん、とても大切な備えです。
しかし、高齢の方にとっては、2Lのペットボトル1本でも意外と重いことがあります。
普段は問題なく持てていても、災害時は慌てていたり、停電で足元が暗かったりすることもあります。
そのような状況では、転倒や腰を痛める原因になることも考えられます。
帰省した際は、ぜひ一度ご両親に保存水を持っていただきましょう。
「重くない?」
「棚から取り出せる?」
「この場所なら届く?」
そんな会話をするだけでも、多くの気付きがあります。
もし重そうであれば、
・500mlのペットボトルを増やす。
・保管場所を腰の高さへ変更する。
・複数の場所へ分散して備蓄する。
このような工夫もおすすめです。
以前の記事でもお伝えしましたが、防災用品は一か所へまとめるだけでは十分ではありません。
取り出しやすい場所へ分散して備えることで、災害時にも無理なく使うことができます。
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▶ 関連記事
【防災用品は1か所では足りない】避難方法別に考える防災グッズの仕分け完全ガイド
第8章|「説明カード」と「実家版防災マップ」を作っておきましょう
防災用品を一緒に確認できたら、最後におすすめしたいことがあります。
それが、「見れば分かる仕組み」を作ることです。
人は時間が経つと、どうしても忘れてしまいます。
数か月後に停電が起きた時、
「どのボタンを押すんだっけ?」
「簡易トイレはどこだったかな?」
と迷ってしまうこともあります。
そこで役立つのが、簡単な説明カードです。
例えばポータブル電源なら、
① 電源ボタンを押す。
② ACボタンを押す。
③ コンセントを差し込む。
たったこれだけでも十分です。
大きな文字で紙へ書き、本体へ貼っておくだけで安心感が違います。
LEDランタンも、
「ここを押す。」
「充電はこのケーブル。」
と書いておけば、ご家族が帰省していない時でも落ち着いて使えます。
さらにおすすめなのが、「実家版防災マップ」を作ることです。
難しい地図ではありません。
家の見取り図を簡単に描き、
・保存水
・非常食
・簡易トイレ
・LEDランタン
・モバイルバッテリー
・ポータブル電源
・ブレーカー
などの場所を書き込むだけです。
冷蔵庫や電話の近くへ貼っておけば、ご家族全員がすぐ確認できます。
「どこへしまったかな。」
そんな時間を減らせるだけでも、防災は大きく前進します。
▶ 関連記事
【防災は家族全員で】災害時の役割分担チェックリスト|子ども・親・祖父母は何をする?

💡柔道整復師コラム|安心は、身体の健康にもつながります
私は柔道整復師として、多くの高齢者の方と接してきました。
施術中に防災の話になると、
「子どもに迷惑は掛けたくないんだ。」
そう話される方が少なくありません。
だからこそ、お盆や年末年始に子どもや孫が帰省し、一緒に防災用品を確認するだけでも、大きな安心につながります。
「これなら私でも使える。」
「一緒に確認できて良かった。」
そんな安心感は、心の余裕を生み、日々の生活にも良い影響を与えます。
防災は、災害のためだけに行うものではありません。
毎日を安心して暮らすための準備でもあります。
まとめ|「一緒に使ってみる時間」が、最高の備えになります

防災用品をプレゼントすることは、とても素晴らしいことです。
しかし、それだけでは本当の備えとは言えません。
大切なのは、ご両親が一人でも使えることです。
LEDランタンを点けてみる。
スマートフォンを充電してみる。
簡易トイレを組み立ててみる。
ポータブル電源を動かしてみる。
どれも数分でできることですが、その数分が災害時の安心につながります。
そして何より大切なのは、一緒に確認する時間です。
「これはこうやって使うんだね。」
「これなら私でもできそう。」
そんな会話そのものが、防災だけでなく家族の安心にもつながります。
今年のお盆や年末年始は、ぜひ防災用品を眺めるだけではなく、一緒に使ってみる時間を作ってみてください。
その時間が、将来ご家族の命を守る大切な備えになるかもしれません。
実際に使用・比較したおすすめアイテムについて
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
今回ご紹介した防災用品の中には、私自身が実際に使用しているものや、比較・調査を重ねて「安心しておすすめできる」と感じたアイテムがあります。
「実家にも備えておこうかな。」
「親にも使いやすい物を選びたい。」
そう思われた方は、ぜひ参考にしてみてください。
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