【防災リュックの中身は何を入れる?】容量・重さと地震・大雨に備える非常持ち出し品チェックリスト
地震の突然の揺れや、台風・線状降水帯による大雨で、自宅から避難しなければならないことがあります。
そのとき、家庭に備蓄している何十リットルもの水や、3日分・7日分の食料をすべて持って移動することはできません。
そこで必要になるのが、自宅から安全な場所へ移動し、避難先で当面必要になる物をまとめた「防災リュック(非常持出袋)」です。
しかし、防災用品をそろえ始めると、次のような疑問が出てきます。
・防災リュックは何リットル必要なのか
・20Lと30Lでは、どのくらい中身が違うのか
・水や食料は何日分入れるべきなのか
・重さは何kgまでなら安全なのか
・地震と大雨では、必要な物が違うのか
防災リュックは、大きければ安心というものではありません。
必要な物を詰め込みすぎて持ち上げられなければ、避難開始が遅れたり、移動中に転倒したりする可能性があります。
私は宮城県仙台市で理感整骨院、出張整体トラスト、暮らしサポートを運営しています。
柔道整復師として気になるのは、荷物の重量だけでなく、腰や膝に不安がある方が実際に背負って歩けるかという点です。
この記事では、防災リュックと家庭備蓄の違い、容量別の収納例、基本の持ち出し品、地震・大雨で追加したい物、身体へ負担をかけにくい詰め方を解説します。
この記事のポイント
・防災リュックと自宅備蓄は目的を分ける
・容量はリットル数だけでなく、体格と必要品から選ぶ
・20~25Lは大人1人分の基本品をまとめやすい
・25~35Lは衣類や雨具を追加しやすいが、入れすぎに注意する
・重さは固定した数字ではなく、実際に背負って歩いて確認する
・大雨では、雨風が強まる前、道路が冠水する前の避難が重要
※必要な持ち物や避難方法は、災害の種類、地域、住宅、季節、家族構成によって変わります。自治体のハザードマップ、避難情報、防災気象情報を確認し、ご自身と家族に合わせて調整してください。
第1章|防災リュックと自宅備蓄は目的が違う
防災リュックは避難時に持ち出す物
消防庁は、普段から最小限の非常持出品を準備し、両手を使えるリュックサックなどへ入れておくよう案内しています。
非常持出品には、携帯できる水や食料、救急用品、ライト、ラジオ、衣類、マスク、タオル、薬などが含まれます。
防災リュックの役割は、自宅から安全な場所へ移動し、避難先で当面必要になる物を持ち出すことです。
避難所へ到着すれば、すぐに水、食事、充電設備、トイレ、毛布が十分に使えるとは限りません。
一方で、持ち出せる量には限界があります。
命を守るための避難を妨げないよう、「あると便利な物」と「自分に必要な物」を分けて考えましょう。
自宅備蓄は在宅避難を支える物
自宅備蓄は、自宅の安全が確認でき、在宅避難を続ける場合に使う水、食料、簡易トイレ、照明、衛生用品などです。
内閣府では、家庭の備蓄として飲料水を1人1日3リットル、食料などを最低3日分、できれば1週間分用意することを案内しています。
この量をすべて防災リュックへ入れるのは現実的ではありません。
例えば、水だけでも1人3日分で9リットルとなり、容器を含めれば約9kg以上になります。
防災リュックと自宅備蓄は、次のように分けて考えると整理しやすくなります。
| 種類 | 主な目的 | 用意する物 |
|---|---|---|
| 防災リュック | 自宅から避難するときに持ち出す | 携帯できる水・食料・ライト・薬・雨具など |
| 自宅備蓄 | 自宅で数日間生活する | 3~7日分の水・食料・トイレ・電源など |
| 普段の持ち歩き | 外出先で被災したときに使う | 小型ライト・充電器・笛・携帯トイレなど |
家族人数別の水、食料、簡易トイレの備蓄量は、次の記事で計算しています。
👉【防災備蓄は何日分必要?】家族人数別の水・食料・簡易トイレ・電源チェックリスト

第2章|防災リュックは何リットル必要か
容量だけでなく形状と体格も確認する
防災リュックには、10L前後の小型から40Lを超える大型まであります。
ただし、同じ30Lでも、リュックの縦横比、ポケットの数、開口部、背面構造によって収納しやすさは変わります。
雨具やおむつのように軽くてかさばる物が多い人と、水やモバイルバッテリーのように小さくて重い物が多い人でも、必要な容量は同じではありません。
リットル数は、入る物の目安として使い、最終的には必要品を実際に入れて確認しましょう。
容量別の特徴と収納例
| 容量 | 主な使い方 | 入れやすい物の例 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 10~15L | 子ども・高齢者・普段の持ち歩き | 500mlの水、軽食、ライト、笛、薬、携帯トイレ | 衣類や雨具を多く入れる余裕は少ない |
| 20~25L | 大人1人分の基本セット | 水、1日分程度の携帯食、ライト、ラジオ、充電器、衛生用品 | 季節用品を追加すると満杯になりやすい |
| 25~35L | 雨具・着替え・防寒用品も持つ大人 | 基本セットに衣類、雨具、救急用品を追加 | 空いている分だけ水や缶詰を増やさない |
| 35~40L以上 | 乳幼児用品・介護用品などが多い家庭 | おむつ、ミルク、衣類、介護用品 | 満載すると重くなるため分散を検討する |
これは、容量選びを考えるための一般的な目安です。
製品の形状や中身によって収納量は変わり、同じ容量でも背負いやすさには差があります。

10~15L|必要最小限を軽く持つ
10~15Lは、子ども、高齢者、腰や膝に不安がある方、普段の通勤・通学用として使いやすい容量です。
500mlの水、小型の非常食、ライト、笛、常用している薬、携帯トイレ、連絡先カードなどを優先します。
子どもに持たせる場合は、大人用の持ち物を小さくしただけでは重すぎる可能性があります。
本人が背負って歩ける量へ減らし、保護者の連絡先と集合場所が分かるカードを入れておきましょう。
20~25L|大人1人分の基本セット
20~25Lは、大人1人分の基本的な非常持出品をまとめやすい容量です。
500mlの水を1~2本、調理せず食べられる食品、モバイルバッテリー、ヘッドライト、ラジオ、薬、衛生用品、携帯トイレなどが候補になります。
普段使いのリュックに近い大きさなので、背負った感覚を確かめやすいのも利点です。
ただし、冬の防寒着や乳幼児用品まで入れると容量が足りない場合があります。
25~35L|雨具や衣類を追加しやすい
25~35Lは、上下のレインウェア、着替え、タオル、防寒用品、救急用品なども追加しやすい容量です。
大雨避難や寒い季節では、軽くてもかさばる物が増えるため、この程度の容量が使いやすい場合があります。
一方で、大きなリュックは空いている場所へ物を追加しやすく、結果として重くなりがちです。
すべての空間を埋めるのではなく、必要品を入れた状態の重さで判断してください。
雨具や着替えを追加する場合は、開口部が大きく、中身を確認しやすいリュックが便利です。
ただし、容量に余裕があっても荷物を詰めすぎず、実際に背負って歩ける重さへ調整しましょう。
中身を整理しやすい35Lリュックを確認する👇
35~40L以上|家族用品を1人へ集めすぎない
乳幼児のおむつ、ミルク、介護用品、着替えなどがある家庭では、35L以上が必要になることもあります。
ただし、家族全員分を一つの大型リュックへ集めると、その人が持てなくなった場合に、必要品をすべて失う可能性があります。
可能であれば、家族それぞれが持てる範囲で水、食料、ライト、衛生用品を分けましょう。
乳幼児用品など、家族で共用する物を入れたリュックも、誰が持つのか事前に決めておくと安心です。
第3章|基本の非常持ち出し品チェックリスト

水・食料
防災リュックへ入れる水と食料は、避難経路、避難場所までの距離、季節、持病などによって調整します。
水は重量が大きいため、「備蓄量をすべて持つ」のではなく、避難中と避難直後に必要な携帯量を考えます。
食品は、調理や大量の水を必要とせず、普段から食べ慣れている物が便利です。
・500mlの飲料水
・栄養補助食品
・ようかん
・ビスケット
・開封してそのまま食べられる保存食
・アレルギーや持病に対応した食品
長時間の避難所生活へ備える水と食料は、自宅備蓄や後から安全に持ち出す物として分ける方法もあります。
水と食料の家庭備蓄量については、次の記事を参考にしてください。
👉【災害用の水は何リットル必要?】家族人数別の3日分・7日分と保存・運び方を徹底解説
👉【災害用の食料は何食必要?】家族人数別の3日分・7日分とローリングストックを徹底解説
情報収集・連絡手段
災害時には、スマートフォンの充電と、複数の情報収集手段を確保することが大切です。
・スマートフォン
・モバイルバッテリー
・使用端末に合う充電ケーブル
・小型ラジオ
・予備電池
・家族の連絡先カード
・避難場所と集合場所を書いた紙
・ホイッスル
モバイルバッテリーは、長期間入れたままにせず、定期的に残量、膨らみ、異常な発熱がないか確認しましょう。
照明・安全用品
夜間や停電時には、両手を使えるヘッドライトが役立ちます。
・ヘッドライトまたはLEDライト
・予備電池
・作業用手袋
・マスク
・雨具
・防災頭巾やヘルメット
製品によって明るさ、点灯時間、防水性能が異なるため、購入後に一度点灯させ、電池交換や充電方法も確認してください。
夜間の避難では、片手がふさがる懐中電灯よりも、足元を照らしながら両手を使えるヘッドライトが適しています。
防災リュックへ入れる場合は、本体の軽さだけでなく、使用する電池の種類も統一しておくと管理しやすくなります。
単3形乾電池1本で使える軽量モデル👇
衛生・トイレ用品
断水や避難所の混雑を考え、少量でも携帯トイレを持ち出せるようにします。
・携帯トイレ
・防臭袋
・ごみ袋
・マスク
・ウェットティッシュ
・ティッシュ
・歯みがきシート
・タオル
・生理用品
携帯トイレは、便器へ取り付ける袋と凝固剤がセットになっているか確認してください。
家族人数別の備蓄数や使い方は、次の記事で詳しく解説しています。
👉【簡易トイレは何回分必要?】家族人数別の備蓄数・使い方・防臭・処分方法を徹底解説
簡易トイレは、自宅備蓄用と持ち出し用を分けて準備します。
箱ごとリュックへ入れるのではなく、凝固剤、汚物袋、防臭袋を数回分ずつ小分けにすると、重量と収納スペースを抑えられます。
薬・貴重品・書類
・処方薬や常用している薬
・お薬手帳または内容が分かる控え
・健康保険や身分証明に必要な情報
・現金
・小銭
・緊急連絡先
・筆記用具
薬の持ち出し量や予備については、自己判断で変更せず、主治医や薬剤師へ相談してください。
書類は原本をすべて入れるのではなく、必要な情報を防水ケースへまとめる方法もあります。
第4章|地震に備えて追加したい物
足元を守る履き慣れた靴
地震後の室内や道路には、割れたガラス、落下物、段差などがある可能性があります。
枕元や防災リュックの近くに、底が薄すぎない履き慣れた運動靴を用意しておくと、足元を守りやすくなります。
踏み抜き防止インソールを使う場合は、靴がきつくならないか、歩きにくくならないかを事前に確認してください。
重くて硬い靴を新たに用意しても、履き慣れていなければ避難中の靴擦れや転倒につながることがあります。
両手を使える照明
停電した室内や夜間の避難では、ヘッドライトがあると両手を使えます。
懐中電灯も有効ですが、荷物や手すりを持つ場面を考えると、頭や首元へ固定できる照明も準備しておくと安心です。
すぐ取り出せるよう、リュックの上部や外側ポケットへ収納しましょう。
手袋・マスク・笛
片付けや移動時に手を守る作業用手袋、ほこりを避けるマスク、助けを呼ぶための笛も候補です。
手袋はサイズが合っているか、濡れたときも滑りにくいかを確認します。
笛は、家族それぞれが取り出しやすい場所へ付けておくと使いやすくなります。
第5章|大雨・洪水避難で追加したい物

レインウェアと防水対策
大雨時の避難では、傘よりも両手を使いやすいレインウェアが役立ちます。
・上下が分かれたレインウェア
・リュックカバー
・着替え
・靴下
・タオル
・スマートフォン用防水ケース
・書類や薬を入れる防水袋
リュックカバーだけでは、背面や開口部から水が入ることがあります。
濡らしたくない着替え、薬、モバイルバッテリーなどは、個別の防水袋やチャック付き袋へ分けると管理しやすくなります。
冠水する前に避難する
大雨避難で最も重要なのは、道路が冠水してから防災リュックを背負って移動することではありません。
雨や風が強まる前、明るく足元を確認できるうちに、安全な場所へ移動することが基本です。
内閣府は、警戒レベル5の緊急安全確保を待たず、警戒レベル4の避難指示までに危険な場所から避難するよう案内しています。
高齢者や障害のある方、乳幼児など避難に時間がかかる人は、警戒レベル3の高齢者等避難が一つのタイミングになります。
長靴より、ひもで締められる運動靴を基本にする
仙台市では、洪水時の避難について、裸足や長靴ではなく、ひもで締められる運動靴を案内しています。
長靴は中へ水が入ると重くなり、脱げたり歩きにくくなったりする可能性があります。
ただし、道路がすでに冠水し、水の流れや路面の状態が分からない場合は、運動靴へ履き替えれば安全に避難できるという意味ではありません。
屋外へ移動する方が危険な段階では、自治体や消防などの情報を確認し、建物内のより安全な場所へ移る「屋内安全確保」や「緊急安全確保」が必要になる場合があります。
避難方法は、自宅の浸水深、建物の構造、家屋倒壊等氾濫想定区域、土砂災害の危険性によって異なります。
第6章|家族構成によって追加する物

乳幼児・子ども
・液体ミルクや粉ミルク
・哺乳に必要な用品
・紙おむつ
・おしりふき
・抱っこひも
・母子健康手帳の情報
・子どもの連絡先カード
・食べ慣れた食品
・小さな安心用品
乳幼児用品はかさばるため、家族で誰が持つかを決め、必要に応じて別のリュックへ分けます。
子どもの氏名や連絡先を外から大きく見える場所へ表示すると、第三者に個人情報が見える可能性があります。連絡先カードは、必要時に確認できる内ポケットなどへ入れておきましょう。
高齢者・持病がある人
・処方薬
・お薬手帳の控え
・予備の眼鏡
・補聴器と予備電池
・入れ歯用品
・食べやすい食品
・介護用品
・緊急連絡先と医療情報
高齢者は大容量のリュックを背負えるとは限りません。
薬、眼鏡、連絡手段など、本人に欠かせない物を小型リュックへ入れ、重い水や家族共用品は別の人が分担する方法もあります。
女性
・生理用品
・中身が見えにくいごみ袋
・下着
・防犯ブザー
・スキンケア用品
・ヘアゴム
生理用品は必要量に個人差があるため、市販の防災セット任せにせず、自分に合う物を追加します。
ペット
・フードと水
・薬
・リード、ハーネス
・キャリーバッグやケージ
・トイレ用品
・飼い主の連絡先
・ワクチンや治療内容が分かる情報
避難所でのペットの受け入れ方法は、自治体や施設によって異なります。
仙台市やお住まいの自治体の避難所ルールを事前に確認し、ペット用品は人用のリュックと分けることも検討しましょう。
第7章|防災リュックの重さは何kgまでか
全国共通の安全な上限はない
防災リュックの重量については、「男性は15kg、女性は10kg」「体重の10~15%」など、さまざまな目安が紹介されています。
しかし、年齢、体格、運動習慣、腰痛や膝痛、妊娠、避難経路の坂道や階段によって、安全に持てる重さは変わります。
自治体資料に記載された重量も、すべての人へ当てはまる上限ではありません。
数値だけで判断せず、実際に背負って確認することが大切です。
容量より重量が先に限界になることがある
防災用品は、リュックが満杯になる前に重くなることがあります。
例えば、一般的な商品の重量を使って、次のようなモデルケースを考えます。
| 内容 | 重量の例 |
|---|---|
| 500mlの水2本 | 約1.0kg |
| 1日分の軽量な食品 | 約0.5~1.0kg |
| モバイルバッテリー・ラジオ・ライト | 約0.7~1.2kg |
| 雨具・着替え・タオル | 約1.0~1.8kg |
| 衛生用品・携帯トイレ・救急用品 | 約0.7~1.2kg |
| リュック本体 | 約0.7~1.5kg |
| 合計 | 約4.6~7.7kg |
これは一般的な商品の重量を足した計算例であり、実測した固定セットではありません。
水の本数、衣類、季節用品、製品サイズによって大きく変わります。
35Lのリュックでも軽量品だけなら比較的軽くできますが、20Lでも水や缶詰を多く入れれば重くなります。
実際に背負って歩く
柔道整復師としておすすめしたいのは、完成したリュックを玄関に置くだけで終わらせず、一度背負って歩くことです。
まず室内で立ち上がり、次に玄関や階段を移動し、問題がなければ安全な場所で少し歩いてみます。
次のような状態があれば、中身やリュックを見直してください。
・一人で床から持ち上げられない
・背負うと身体が大きく後ろへ引かれる
・腰、肩、膝に強い痛みが出る
・足元がふらつく
・階段で手すりを使えない
・数分で息が上がり、移動が難しい
持病や関節痛がある場合は、無理な歩行テストをせず、家族と荷物を分担してください。
第8章|身体へ負担をかけにくい詰め方

重い物は背中へ近づける
水やモバイルバッテリーなどの重い物が背中から離れると、後方へ引かれやすくなります。
重い物は背中側へ寄せ、左右へ偏らないように配置します。
ただし、背中へ硬い物が直接当たると痛みにつながるため、タオルや衣類で当たりを調整してください。
すぐ使う物は上部や外側へ
次の物は、すぐ取り出せる場所へ入れます。
・ヘッドライト
・レインウェア
・薬
・携帯トイレ
・マスク
・ホイッスル
・連絡先カード
リュックの底まで全部出さなければ取り出せない状態は避けましょう。
チェストベルトや腰ベルトを調整する
リュックが身体から離れて揺れると、歩きにくくなる場合があります。
チェストベルトや腰ベルトがある場合は、自分の体格に合わせて調整します。
締めすぎると呼吸や動きを妨げるため、実際に歩きながら位置を確認してください。
子ども用や小柄な方は、肩ひもを最短にしても背中から離れないかを確認しましょう。
第9章|置き場所と分散方法
玄関や寝室など、持ち出しやすい場所へ置く
消防庁は、非常持出品を玄関や寝室など、すぐ持ち出せる場所へ置くよう案内しています。
押し入れの奥や、家具が倒れると開けられない収納へ入れると、必要なときに取り出せない可能性があります。
ただし、玄関付近が浸水する住宅では、低い床へ直接置くことが最適とは限りません。
ハザードマップの浸水想定と住宅の構造を確認し、取り出しやすさと水濡れ対策の両方を考えましょう。
一つの場所へ集めすぎない
家族全員分の用品を一つのリュックへ集めると、そのリュックを持ち出せなかった場合に困ります。
可能であれば、次のように分散します。
・各自が水、ライト、笛、食品を少量ずつ持つ
・薬や乳幼児用品など、欠かせない物を複数へ分ける
・自宅備蓄と非常持出品を別にする
・寝室と玄関などへ一部を分ける
家族が別々の場所で被災する可能性も考え、誰がどのリュックを持つか決めておきましょう。
第10章|年2回を目安に中身を点検する

防災リュックは、一度作って終わりではありません。
少なくとも年2回程度、家族で中身を確認する日を決めると管理しやすくなります。
9月1日の防災の日や3月11日など、覚えやすい時期を点検日にしてもよいでしょう。
点検したい項目
・水と食品の期限
・薬の期限と内容
・モバイルバッテリーの残量、膨らみ、異常
・ライトとラジオの動作
・乾電池の液漏れ
・充電ケーブルが現在の端末に合うか
・子どもの衣類や靴のサイズ
・季節に合った雨具、防寒用品、暑さ対策用品
・家族の連絡先と集合場所
・リュック本体の破れやファスナーの動作
・背負った状態の重さ
夏の避難では、飲料水、汗拭き用品、暑さ対策用品が多く必要になる場合があります。
冬は防寒着、手袋、使い捨てカイロなどを追加します。
季節用品を入れ替えるときに、容量と重量も再計算しましょう。
夏の停電、断水、熱中症対策については、次の記事でもまとめています。
👉【夏の防災で追加したい物】停電・断水・熱中症を同時に考える備蓄
第11章|防災リュックの中身チェックリスト
基本用品
- 携帯できる飲料水
- 調理せず食べられる食品
- モバイルバッテリー
- 充電ケーブル
- ヘッドライトまたはLEDライト
- 小型ラジオ
- 予備電池
- ホイッスル
- 現金・小銭
- 身分証明や医療情報の控え
- 処方薬・常用薬
- マスク
- ウェットティッシュ
- 携帯トイレ
- 防臭袋・ごみ袋
- タオル
- 作業用手袋
- 救急用品
- 家族の連絡先カード
地震に備える物
- 履き慣れた底のしっかりした運動靴
- ヘッドライト
- 作業用手袋
- マスク
- 防災頭巾またはヘルメット
大雨に備える物
- 上下のレインウェア
- リュックカバー
- 防水袋
- 着替え・靴下
- 吸水タオル
- スマートフォン用防水ケース
- ひもで締められる運動靴
家族別に追加する物
- ミルク・哺乳用品
- 紙おむつ・おしりふき
- 抱っこひも
- 母子健康手帳の情報
- 眼鏡・補聴器用電池
- 介護用品
- 生理用品
- ペット用品
- アレルギー・持病に対応した食品
まとめ|背負って動ける防災リュックを作る
防災リュックは、家庭にある備蓄品をすべて詰め込む物ではありません。
避難時に持ち出せる水、食料、照明、情報機器、薬、衛生用品を、自分と家族に合わせて厳選します。
容量選びの目安は次のとおりです。
・10~15L:子ども、高齢者、普段の持ち歩き
・20~25L:大人1人分の基本用品
・25~35L:雨具、着替え、防寒用品も追加する場合
・35~40L以上:乳幼児・介護用品などが多い場合。ただし分散を検討する
ただし、同じ容量でも中身の重さは変わります。
大きさだけで判断せず、完成後に実際に背負い、玄関、階段、避難経路を安全に移動できるか確認してください。
地震では履き慣れた靴、ヘッドライト、手袋などを追加し、大雨ではレインウェア、防水袋、着替えを準備します。
雨風が強くなり、道路が冠水してからの移動は危険です。
防災リュックを準備することと同時に、ハザードマップ、避難先、避難開始のタイミングも家族で共有しておきましょう。
必要な物が入っていても、重すぎて動けなければ避難に使えません。
自分と家族が実際に背負って動ける「持ち出せる防災リュック」を作ることが大切です。
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防災セットは、購入しただけで家族全員に必要な物がそろうとは限りません。
リュックの容量と重さ、ライトの電源方式、ラジオの受信方法、携帯トイレの内容、家族固有の薬や衛生用品まで確認してください。
※商品の価格、在庫、仕様、レビュー評価は変動します。購入前にメーカーと販売ページの最新情報をご確認ください。
参考情報
※防災気象情報や避難情報、避難所の運用方法は変更される場合があります。災害時には、自治体、消防、警察、気象庁などが発信する最新情報を優先してください。

