【職場で地震が起きたら最初に何をする?】安全確認・安否確認・社内待機と帰宅判断

大きな地震は、自宅にいるときだけに発生するとは限りません。
勤務中や通勤中、店舗やクリニックに患者様・お客さまがいる時間帯に発生することもあります。

強い揺れの直後は、「外へ逃げた方がよいのか」「従業員を帰宅させるべきか」「トイレを使ってよいのか」など、短時間で多くの判断を迫られます。
しかし、十分な安全確認をしないまま屋外へ飛び出したり、一斉に帰宅を始めたりすると、落下物、火災、道路の損傷、群集事故などに巻き込まれるおそれがあります。

職場で地震が起きたときは、次の順番で対応することが基本です。

  1. 揺れている間は自分の身を守る
  2. 揺れが収まったら火災・建物・周辺の危険を確認する
  3. 従業員・来客・患者様の安否を確認する
  4. 停電・断水・ガス・トイレの状況を確認する
  5. 公的情報を集め、社内待機か避難かを判断する
  6. 帰宅は時間だけで決めず、経路・天候・体力から判断する

私は宮城県仙台市で、理感整骨院、出張整体トラスト、暮らしサポートを運営しています。
日頃から、施術中の患者様や足腰に不安のある高齢者の方と接する立場として、少人数の事業所でも迷いにくい現実的な初動対応を考えています。

この記事では、職場で地震が発生した直後から社内待機、帰宅判断までの流れを、店舗・クリニック・小規模事業所でも使いやすい形で時系列に沿って解説します。

なお、建物の構造や立地、地震の規模によって適切な行動は変わります。
実際の災害時は、施設管理者、自治体、消防、警察などから発信される情報と、自社の防災マニュアルを優先してください。

職場で地震が起きてから、身の安全確保、周囲と従業員の確認、設備確認、社内待機、帰宅判断へ進む6段階の流れ

目次

第1章|揺れている最中は自分の身を守る

職場で地震が起きた際に、姿勢を低くして机の下で頭と首を守り、窓や棚から離れて揺れが収まるまで動かない行動

最初に行うのは「低く・頭を守る・動かない」

強い揺れを感じたとき、最優先するのは自分の身の安全です。
姿勢を低くし、机の下や落下物の少ない場所で頭と首を守り、揺れが収まるまで無理に移動しないようにします。

丈夫な机の下へ入れる場合は、机の脚を持ち、揺れで机が動くことに備えます。
机がない場合は、カバン、クッション、腕などで頭を守り、窓や棚から離れてください。

職場では、次の場所や設備に注意が必要です。

  • 窓ガラスやガラス製の間仕切り
  • 背の高い書棚や収納棚
  • コピー機、複合機、自動販売機
  • 吊り下げ照明、天井材、壁掛け設備
  • 厨房機器、薬品棚、重量のある商品棚

揺れている最中に出口へ人が集中すると、転倒や将棋倒しが起こるおそれがあります。
屋外にもガラス、看板、外壁材などの落下リスクがあるため、慌てて外へ飛び出さないことが大切です。

ただし、その場で火災や倒壊が迫っているなど、留まること自体が危険な場合は、頭を守りながら危険から離れます。

店舗やクリニックでは短く具体的に声をかける

患者様やお客さまは、建物の安全な場所や避難経路を把握していません。
スタッフは自分の安全を確保したうえで、次のように短く声をかけます。

「姿勢を低くしてください」
「頭を守ってください」
「窓と棚から離れてください」
「揺れが収まるまで、その場でお待ちください」

一度に多くの指示を出すより、今行う動作をはっきり伝える方が行動につながりやすくなります。
施術ベッドや美容室の椅子を利用している方、歩行に介助が必要な方については、無理に立たせず、その場の落下物や転倒物から頭部を守ることを優先します。

第2章|揺れが収まったら火災・建物・周辺を確認する

地震の揺れが収まった後に、火災やガス臭、天井・壁・柱、窓ガラス・棚、避難経路、周辺災害を確認する図解

火元の確認は揺れが収まってから行う

強く揺れている最中に厨房や給湯室へ向かうと、転倒ややけどの危険があります。
まず身を守り、揺れが収まってから、安全に近づける範囲で火元を確認してください。

小さな火で安全に消火できる場合は、周囲へ火災を知らせ、消火器などを使用します。
炎や煙が広がっている場合は、無理に消火を続けず、119番通報と避難を優先します。

ガス臭がする場合は、火気を使わず、照明、換気扇、コンセントなどの電気スイッチにも触れません。
安全にできる場合に限って窓を開け、ガス栓を閉め、ガス事業者や消防の案内に従います。

建物の「使用可否」を自己判断しすぎない

揺れが収まったら、離れた安全な位置から次の状態を確認します。

  • 天井材や照明が落下していないか
  • 柱や壁に大きな亀裂・変形がないか
  • 窓ガラスが割れていないか
  • 棚や大型機器が傾いていないか
  • 出入口や避難経路が通れるか
  • 水漏れ、煙、異臭、異音がないか

これは従業員が建物の安全性を認定するための点検ではありません。
明らかな危険を見つけ、近づかないようにするための確認です。

大きな損傷や傾きが見られる場合は、危険区域へ戻らず、施設管理者や自治体などの指示に従ってください。
ビルやテナントでは、管理会社や防災センターから館内放送・連絡がある場合があります。

自己判断だけで移動せず、建物全体の情報も確認しましょう。

社内待機より避難を優先する場合もある

建物内が安全でも、周囲に次の危険がある場合は、その場に留まらない判断が必要です。

  • 近隣で火災が拡大している
  • 沿岸部で強い揺れや長い揺れを感じ、津波のおそれがある
  • 土砂災害警戒区域で斜面に異常がある
  • 建物の倒壊や危険物の漏えいが迫っている
  • 自治体や施設管理者から避難指示が出ている

特に津波のおそれがある地域では、情報を待ち続けず、高台や津波避難場所へ速やかに避難することが重要です。
「職場では必ず社内待機」と決めつけず、建物と周辺の両方を確認してください。

第3章|従業員・来客・患者様の安否を確認する

その場にいる全員を確認する

周囲の安全を確かめたら、従業員、来客、患者様、利用者の安否を確認します。
当日の出勤表、予約表、来客名簿などを使い、次のように整理すると確認漏れを防げます。

区分確認する内容
勤務中の従業員所在、けが、体調、対応可能な役割
外出中の従業員現在地、安全な待機場所、連絡の可否
休暇・非番の従業員安否確認ルールに沿って連絡
来客・患者様けが、歩行状態、持病、付き添いの有無
子ども・高齢者保護者や家族との連絡、移動時の支援

連絡が取れない人をすぐに「行方不明」と決めつけず、未確認として記録し、時間を置いて再確認します。
通信が混雑しているときは、通話だけに頼らず、メール、メッセージ、災害用伝言ダイヤル171など、社内で決めた方法を使い分けます。

けが人がいるときは救助する側の安全も確認する

けが人を見つけても、ガラス、落下物、火災などが残る場所へ無防備に入ると、救助する側も負傷します。
まず周囲の安全を確認し、助けを呼びます。

反応がない、普段どおりの呼吸がない、大量出血があるなど緊急性が高い場合は、119番通報を行い、AEDや応急手当を開始します。
出血には、手袋や清潔な布を使った直接圧迫が基本です。

骨折や脊椎のけがが疑われる場合は、火災などの差し迫った危険がない限り、無理に立たせたり動かしたりしません。
顔色が悪い、冷や汗がある、意識がもうろうとしている場合は、保温しながら状態を観察し、救急へ状況を伝えてください。

事業所では、AEDの設置場所、救急箱、119番通報時に伝える住所を、平常時から全員で確認しておくことが大切です。

第4章|停電・断水・ガス・エレベーターを確認する

地震後の停電、排水設備が確認できないトイレ、ガス臭、エレベーターについて、職場で行う4つの対応

停電時は照明と情報手段を確保する

停電が発生したら、非常灯、LEDランタン、ヘッドライトを用意し、転倒しやすい階段や通路を優先して照らします。
スマートフォンは連絡と情報収集に必要なため、動画の視聴や不要な通信を控え、電池を温存します。

携帯ラジオ、モバイルバッテリー、ポータブル電源が使えるかも確認してください。
発電機を使用する場合は、一酸化炭素中毒を防ぐため、屋内や換気の悪い場所では使用しません。

水が出てもトイレをすぐ流せるとは限らない

地震後は、給水が続いていても、建物内や地中の排水管が破損している可能性があります。
特にビルや集合施設では、排水管の損傷によって下の階で漏水や汚水の逆流が起こることがあります。

次の状況では水洗トイレの使用を止め、便器に袋を取り付ける簡易トイレへ切り替えます。

  • 建物管理者から使用停止の案内がある
  • 排水管の破損や漏水が疑われる
  • 便器の水位がおかしい、流れにくい、異音がする
  • 下の階や周囲で漏水が確認されている
  • 自治体から下水道の使用制限が案内されている

バケツの水を使った流し方も、排水系統の安全が分からない段階では避けてください。
詳しい備蓄数や使い方は、【簡易トイレは何回分必要?】家族人数別の備蓄数・使い方・防臭・処分方法を徹底解説で紹介しています。

地震後は、水道が使えても排水管が破損している可能性があります。建物管理者から水洗トイレの使用停止が案内された場合に備え、便器へ取り付ける汚物袋、凝固剤、防臭処理用品をセットで準備しておきましょう。
職場の人数に合った簡易トイレの回数を確認する👇

エレベーターは避難に使用しない

地震後は、停電や余震で閉じ込められるおそれがあるため、避難にエレベーターを使用しません。

揺れを感じたときにエレベーター内にいる場合は、行き先階のボタンを押し、停止した最寄りの階で降ります。

閉じ込められた場合は、非常ボタンやインターホンで連絡し、無理に扉を開けようとせず救助を待ちます。

停電した職場では、懐中電灯で片手をふさぐより、ヘッドライトで両手を空けた方が、周囲の確認や応急対応を行いやすくなります。会社の共用備蓄だけでなく、担当者用として複数準備しておく方法もあります。
単3形電池1本で使える軽量ヘッドライト👇

ホームプラザナフコ楽天市場店
¥2,680 (2026/08/29 21:51時点 | 楽天市場調べ)

第5章|公的情報を集め、むやみな一斉帰宅を控える

発災直後は「帰宅すること」が安全とは限らない

大規模な地震の直後は、鉄道の運休、道路の損傷、火災、停電、通信障害が同時に発生する可能性があります。
その段階で多くの人が一斉に移動すると、道路や歩道が混雑し、救急・消防活動の妨げや群集事故につながるおそれがあります。

建物が安全で、水、食料、トイレなどが確保できる場合は、周囲の混乱が落ち着くまで職場に留まることを検討します。
仙台市も、大規模災害時には、安全な学校や職場に留まり、早期の帰宅行動を控える考え方を案内しています。

ただし、「発災後72時間は全員が必ず会社から出てはいけない」という全国共通の決まりではありません。
発災直後の3日間は人命救助が優先される時期であることを踏まえつつ、建物の安全、周辺被害、自治体の情報、本人の事情を総合して判断します。

情報源を絞り、記録する

災害時は不確かな情報も広がります。
次の情報源を中心に確認してください。

  • 気象庁の地震・津波情報
  • 自治体の防災情報と避難情報
  • 消防、警察、交通機関の公式発表
  • 施設管理者やビル防災センターからの案内
  • ラジオ、公共放送

「誰が、何時に、どの情報を確認したか」を紙やホワイトボードへ記録すると、判断の根拠を共有しやすくなります。
情報収集担当者を決め、ほかの従業員は安全確保や来客対応へ回ると、スマートフォンの電池と人員を有効に使えます。

第6章|安全な社内待機を始める

待機場所と立入禁止場所を分ける

社内待機を決めたら、余震による落下・転倒の危険が少ない場所へ人を集めます。

割れたガラスの周辺、傾いた棚の近く、天井材が落下した場所などは、養生テープや椅子を使って立入禁止にします。
待機場所では、出入口を荷物で塞がず、通路を確保してください。

高齢者、妊娠中の方、けが人、車椅子利用者がいる場合は、移動距離を短くし、横になれる場所やプライバシーにも配慮します。

社内待機では、移動用のヘッドライトとは別に、待機場所全体を照らせるLEDランタンが役立ちます。充電池だけに頼らず乾電池でも使用できる製品なら、長時間停電への対応方法を増やせます。
社内待機スペースを広く照らせるLEDランタン👇

備蓄品は人数と見通しを確認して配布する

水、食料、簡易トイレ、毛布、衛生用品を搬出し、在庫を確認します。

最初から一度に配り切らず、滞在人数、備蓄数、復旧の見通しを記録しながら配布してください。
備蓄倉庫の鍵を管理者しか持っていないと、不在時に使用できません。

平常時から、開錠できる人と代理者、配布記録の方法を決めておきましょう。
会社に必要な3日分の水、食料、簡易トイレの計算方法は、【会社・職場の防災備蓄は何日分必要?】従業員人数別の水・食料・簡易トイレと帰宅困難対策で人数別にまとめています。

来客・患者様を含めて考える

店舗、整骨院、クリニック、美容室、介護事業所では、従業員だけでなく、その場にいる来客や利用者への対応も必要です。

平均的な来客数を想定し、余裕を持った水、簡易トイレ、保温用品を準備しておくと安心です。

帰宅を急ぐ方には危険情報を説明しますが、行動を一方的に拘束するのではなく、安全な選択肢、避難場所、交通情報を伝えます。

第7章|帰宅は時間だけでなく安全条件で判断する

建物や周辺に危険がある場合は避難し、職場が安全なら待機し、移動条件が整った場合は経路・天候・体力を確認して帰宅する判断図

帰宅判断で確認したい6項目

帰宅を開始するかどうかは、「地震から何時間たったか」だけでは決められません。

次の項目を確認します。

  1. 建物内に安全に留まれるか
  2. 自治体や施設管理者から移動を控える案内が出ていないか
  3. 帰宅経路に火災、倒壊、通行止め、津波・土砂災害の危険がないか
  4. 夜間、豪雨、大雪、猛暑など、移動を難しくする条件がないか
  5. 本人が距離を歩ける体調・体力か
  6. 靴、ライト、水、雨具、地図など必要な装備があるか

家族が心配でも、危険な経路へ急いで向かうと本人が被災する可能性があります。
平常時から、家族の集合場所、子どもの引き渡しルール、連絡が取れない場合の行動を決めておくことが重要です。

帰宅させる場合は段階的に行う

帰宅可能と判断した場合も、全員を同時に出発させる必要はありません。

距離、方向、体力、家庭事情を確認し、混雑を避けて段階的に帰宅させます。
同じ方向へ向かう人がいる場合は、互いの体調を確認できる複数人での移動も選択肢です。

ただし、途中で危険を感じたら引き返す、一時滞在施設へ移るなど、計画を変更できるようにします。
徒歩帰宅者の氏名、出発時刻、経路、同行者、到着後の連絡方法を記録しておきましょう。

第8章|職場へ置いておきたい徒歩帰宅用品

会社の共用備蓄とは別に、従業員がロッカーやデスクへ用意したい物を整理します。

用品用途・選び方
履き慣れたスニーカー革靴やヒールでの長距離歩行による転倒・靴ずれを減らす
LEDヘッドライト両手を空けて足元を照らす
モバイルバッテリー情報収集と安否確認に使用する
500ml程度の水・行動食移動中の水分・エネルギー補給
携帯トイレ・防臭袋駅や店舗のトイレが使えない場合に備える
レインウェア両手を空けたまま雨を防ぐ
作業用手袋ガラス片や障害物から手を守る
紙の地図通信障害時に経路と危険区域を確認する
常備薬・お薬手帳の控え個人の健康状態に合わせて準備する

普段から持ち歩く最小限の備えは、【防災ポーチの中身は何を入れる?】通勤・買い物・子どもが毎日持ち歩く0次防災チェックリストで紹介しています。

避難所へ持ち出す用品は、【防災リュックの中身は何を入れる?】容量・重さと地震・大雨に備える非常持ち出し品チェックリストも参考にしてください。

車通勤や営業車を使う方は、【車に積む防災グッズは何が必要?】地震・大雨・立ち往生への備えと車内放置NG品もあわせて確認しておきましょう。

防災ヘルメットを人数分そろえる場合は、保護性能だけでなく、保管スペースと装着方法も確認しましょう。折りたたみ式は省スペースですが、緊急時に迷わず組み立てられるよう、購入後に一度全員で装着することが大切です。
ロッカーへ収納しやすい折りたたみ式ヘルメット👇

第9章|小規模事業所は4つの役割と代理者を決める

小規模事業所の地震対応を、危険確認・避難誘導、安否確認・情報収集、応急救護・支援、設備・備蓄管理の4役に分けた図解

従業員が1~10人程度の職場では、複雑な防災組織より、担当と代理者を明確にする方が実行しやすくなります。

役割主な行動
危険確認・避難誘導目視できる危険の確認、立入禁止、来客の誘導
安否確認・情報収集人数確認、公的情報の収集、記録
応急救護・要配慮者支援119番通報、応急手当、高齢者などの支援
設備・備蓄管理照明、簡易トイレ、備蓄品の搬出・配布

少人数の場合は、1人が複数の役割を兼ねても構いません。
大切なのは、社長、院長、店長が不在でも判断が止まらないことです。

「責任者が不在なら誰が指揮するか」「その人も不在なら誰が代わるか」を第2順位まで決めます。
役割表には、備蓄場所、鍵、ブレーカー、ガス栓、AED、消火器、避難場所、緊急連絡先も記載しておきましょう。

年に1~2回は、開店・営業中に地震が起きた想定で、短時間の訓練を行うことをおすすめします。

第10章|発災から帰宅判断までの時系列チェックリスト

次の時間区分は、行動を整理するための目安です。

実際には余震、火災、津波、建物被害などの状況を優先してください。

① 揺れている最中

  • 姿勢を低くし、頭と首を守る
  • 窓、棚、大型機器から離れる
  • 来客へ短く具体的に声をかける
  • 慌てて屋外や出口へ走らない
  • 火元へ無理に近づかない

② 揺れが収まった直後

  • 余震と落下物に注意しながら火災・煙・ガス臭を確認する
  • 安全に通れる出入口と避難経路を1つ以上確保する
  • 建物の大きな亀裂、傾き、天井落下、水漏れを目視する
  • 津波、火災、土砂災害など周辺の危険を確認する
  • 危険があれば指定緊急避難場所などへ移動する

③ 人員・設備の確認

  • 従業員、来客、患者様の人数とけがを確認する
  • 緊急性の高いけが人は119番通報し、応急手当を行う
  • 停電、断水、ガス、通信の状況を確認する
  • 排水設備に不安があれば水洗トイレを止め、簡易トイレへ切り替える
  • エレベーターを避難に使用しない

④ 社内待機または避難の判断

  • 自治体、気象庁、施設管理者の情報を確認する
  • 安全な待機場所と立入禁止場所を分ける
  • 一斉帰宅を控え、交通・道路の状況を確認する
  • 水、食料、簡易トイレ、照明、保温用品を準備する
  • 家族との安否確認方法を案内する

⑤ 帰宅を検討するとき

  • 帰宅経路の火災、道路被害、津波・土砂災害リスクを確認する
  • 夜間や悪天候など移動条件を確認する
  • 本人の体調、歩行距離、靴、ライト、水、雨具を確認する
  • 出発者、時刻、経路、同行者、連絡方法を記録する
  • 危険を感じた場合の待避先と引き返す基準を共有する

このチェックリストは印刷し、電話やインターネットが使えない状況でも見られる場所へ保管しておきましょう。

よくある質問

会社には必ず72時間残らなければなりませんか?

全国一律に、すべての従業員へ72時間の社内滞在を義務づける決まりではありません。

発災直後の混乱や救命・救助活動を妨げないため、むやみな一斉帰宅を控えることが基本です。

建物が危険な場合や津波・火災が迫る場合は、社内待機ではなく安全な場所への避難を優先します。

水道から水が出ればトイレを流してもよいですか?

給水管と排水管は別の設備です。

水が出ても排水管が壊れている場合があるため、建物管理者の案内、漏水、逆流、異音などを確認してから使用します。

安全が分からない場合は簡易トイレへ切り替えます。

揺れが収まったらドアを全部開けるべきですか?

避難経路の確保は重要ですが、すべての扉を無条件に開放する必要はありません。

火災時に煙を防ぐ防火戸や、防犯上管理が必要な扉もあります。

安全に通れる出口を確認し、ビルでは施設管理者の案内に従ってください。

子どもの迎えのため、すぐ帰宅させてもよいですか?

家庭事情は大切ですが、危険な道路を急いで移動すると本人が被災するおそれがあります。

学校や保育施設の引き渡しルール、代理の迎え、災害用伝言サービスなどを平常時から家族で決めておきます。

実際の帰宅判断は、経路と周辺の安全情報を確認して行ってください。

結論・まとめ|最初の行動と社内ルールが被害を減らす

職場で地震が起きたとき、最初に行うのは帰宅や避難の判断ではなく、揺れから自分の身を守ることです。
揺れが収まったら、火災、建物、周辺、人員、設備の順に確認し、安全な社内待機が可能か、別の場所へ避難すべきかを判断します。

この記事の要点は次のとおりです。

  1. 揺れている間は姿勢を低くし、頭を守る
  2. 火元の確認は揺れが収まり、安全を確保してから行う
  3. 建物の安全性を従業員だけで断定せず、明らかな危険へ近づかない
  4. 水が出ても排水設備の安全が分からなければトイレを流さない
  5. 発災直後のむやみな一斉帰宅を控える
  6. 帰宅は時間だけでなく、経路・天候・体力・装備から判断する
  7. 小規模事業所でも4つの役割と代理者を決めておく

地震時の対応は、防災用品を購入するだけでは完成しません。
避難場所、安否確認方法、備蓄品の鍵、責任者不在時の代理者まで決め、短い訓練を繰り返すことで、実際に使える備えになります。

まずはこの記事の時系列チェックリストを職場で共有し、自社の建物と業務に合わない部分を書き換えるところから始めてみてください。

職場の防災対策をさらに整える関連記事

職場で地震が発生したときに迷わず行動するには、初動対応だけでなく、社内待機に必要な備蓄や従業員個人の装備も準備しておくことが大切です。

会社に必要な水・食料・簡易トイレの量は、従業員数と来客数を基に計算しておきましょう。
👉【会社・職場の防災備蓄は何日分必要?】従業員人数別の水・食料・簡易トイレと帰宅困難対策

通勤中や外出先で被災した場合に備え、ライト、携帯トイレ、モバイルバッテリーなどを小さなポーチへまとめておく方法も紹介しています。
👉【防災ポーチの中身は何を入れる?】通勤・買い物・子どもが毎日持ち歩く0次防災チェックリスト

職場から避難所などへ移動する可能性がある場合は、防災リュックの容量と重さ、非常持ち出し品も確認しておきましょう。
👉【防災リュックの中身は何を入れる?】容量・重さと地震・大雨に備える非常持ち出し品チェックリスト

地震後は水道から水が出ても、排水管の損傷によって水洗トイレを使用できない場合があります。
職場に必要な簡易トイレの回数や、防臭・保管・処分方法はこちらで詳しく解説しています。
👉【簡易トイレは何回分必要?】家族人数別の備蓄数・使い方・防臭・処分方法を徹底解説

車通勤や営業車での外回りが多い方は、渋滞や道路寸断、車内での一時待機も想定した備えが必要です。
👉【車に積む防災グッズは何が必要?】地震・大雨・立ち往生への備えと車内放置NG品

職場や家庭で準備したい防災用品

楽天ROOMでは、簡易トイレ、LEDライト、モバイルバッテリー、非常用電源、保存水など、地震や停電、断水への備えに役立つ商品をまとめています。
職場の防災用品は、商品を購入するだけでなく、従業員数や来客数に合った数量を準備し、保管場所と使い方を全員で共有することが大切です。

店舗、事務所、整骨院、介護事業所などで使いやすい防災用品も随時追加していますので、備蓄品を見直す際の参考にしてください。

※商品の価格、在庫、仕様、レビュー評価は変動します。購入前に最新の販売情報とメーカーの注意事項をご確認ください。

参考にした公的情報

免責事項・ご注意事項

本記事は、公的機関が公開している一般的な防災情報を参考に、職場での初動対応を整理したものです。
建物の構造、立地、被害状況、自治体の条例、施設管理規定によって適切な対応は異なります。
実際の災害時は、自治体、消防、警察、気象庁、施設管理者からの最新情報を優先してください。
けが人の対応は救助者自身の安全を確保し、緊急性が高い場合は119番通報と専門家の指示を優先してください。
防災用品や設備を使用する際は、各メーカーの取扱説明書と施設の管理手順を確認してください。